瞑想を始めたいけれど、「やり方がわからない」「これで合っているのか不安」という方。
瞑想は、誰もが内在している天然自然な有り様(霊性)へ立ち返ることです。このことは「心を解放し自由になること」と本質的には同じ意味になります。
そして、その実践の中心にあるのが、「ありのまま」に気づくことです。
「ありのまま」とは、瞑想では「あるがまま」とも表現される在り方であり、「何かを変えよう」とするのではなく、「今起きていることにそのまま気づいていく姿勢」を指します。
この記事は、初心者でもできる瞑想の実践手順から姿勢・呼吸・時間・場所・つまずきの対処まで、実践に必要な内容をわかりやすく解説した「実践手順ガイド」です。
この記事一つで、初めて瞑想を行う方にとっての実践ガイドとして、総合的にお役に立てる内容になることを意識して記事化してあります。
なお瞑想の意味や本質を深く知りたい方は瞑想とは?を、全体像・心得・続け方については瞑想入門をあわせてご覧ください。
目次 非表示
- 瞑想のやり方|初心者でもできる基本の3ステップ
- 瞑想のやり方を学ぶ前に知っておきたいこと
- なぜ瞑想はこの3ステップでよいのか
- ステップ① リラックスして静かな場所で座る|瞑想の姿勢と座り方
- ステップ② 呼吸に意識を向ける|瞑想の呼吸法と意識の向け方
- ステップ③ 思考に気づいたら呼吸に戻る
- 瞑想の時間とタイミング|いつ・何分やればいいのか
- 瞑想の場所と環境づくり|どこでやるのか、部屋の整え方
- 瞑想の注意点・危険性・逆効果|やりすぎや間違った取り組み方について
- 瞑想のつまずき・よくある悩みと対処法
- 瞑想中によくある体験
- 初心者が誤解しやすい瞑想のコツ
- 初心者が瞑想で不安になりやすいポイント
- やってはいけない瞑想
- 瞑想初心者で大切な取り組み方
- 瞑想ができない原因と対策
- 瞑想を続けるためのポイント
- 瞑想とヒーリングの関係
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|瞑想とは人生を整え、深めていく実践
瞑想のやり方|初心者でもできる基本の3ステップ
瞑想のやり方は非常にシンプルなんですね。ですが、全体の流れを理解することは大切です。まず、基本を確認してみましょう。
瞑想のやり方の基本の流れ
まずは瞑想の基本です。
- リラックスして静かな場所で座る
- 呼吸に意識を向ける(瞑想の対象に気づく)
- 思考に気づいたら戻る
これだけです。とてもシンプルです。これが瞑想の本質的な実践ですね。余計なことはしないことなんですね。
瞑想にはさまざまな種類がありますので、自分に合った方法を知りたい方は瞑想の種類も参考になります。
瞑想のやり方を学ぶ前に知っておきたいこと
で、瞑想のやり方を知るとき、多くの方は「正しい方法を覚えれば、すぐに静かになれる」「やり方さえ守れば、雑念は減っていく」と思いがちかもしれません。
けれども実際には、マニュアル的な理解や暗記では、瞑想はできないんですね。
瞑想では取り組み方が大切
もちろん基本的なやり方はあります。
リラックスして座る、呼吸に意識を向ける(瞑想の対象に気づく)、思考に気づいたら戻ること。
これらは大切な土台です。
けれども、それ以上に大切なのは、どのような姿勢で取り組むかなんですね。
瞑想では「何とかしよう」とする心に気づくことが重要
たとえば、早く結果を出そうとして焦っている状態は、不適切な取り組み方なんですね。
というのも呼吸に意識を向けていても、内心「まだかな」「変化がないな」「うまくできていないな」と評価し操作しているからです。
このような状態は、形として瞑想をしていても、心の中ではずっと「何とかしよう(操作しよう)」としているわけなんですね。
瞑想は自分を操作するやり方ではない
瞑想のやり方を学ぶうえでまず知っておきたいのは、瞑想は「自分をうまく操作する技術」ではないということなんですね。
むしろ、操作しようとする「自分の心に気づいていく」ことになります。
心を無理に静かにしようとしない。
雑念を力づくで消そうとしない。
特別な状態を作ろうとしない。
まずは今の自分の状態を「そのまま」見守る。感じる。気づく。
このような「操作しないで観る」という点については、観察としての瞑想でも詳しく解説しています。
瞑想のやり方より大切なこと
この理解があるだけで、瞑想のやり方は変わります。
「こうすれば正解」というよりも、「今ここで起きていることに『気づく』」という有り様に変わるからです。
その意味で、やり方は大切です。ですが、やり方以上に力まないこと、急がないこと、評価しすぎないこと、何かになろう(作りあげよう)としないことが大切です。
瞑想においては、この土台と理解がありませんと、どんな方法を学んでも、瞑想が苦しくなってしまいます。
なお「力を入れすぎない」「何とかしようとしすぎない」ということは、手放す・何もしないという観点からも理解することができます。
感受性が高い人の瞑想のやり方
なお感受性が高い人は、瞑想をまじめにやろうとしすぎるほど、かえってつらくなることがあります。
気づきを入れると、それが過剰になり、身体感覚や感情の動き、周囲の音や空気感まで細かく感じやすくなり、瞑想がうまくできない感じを受けかえって苦しくなることがあります。
感受性が高い方は、やわらかく気づきを行い、またリラックスやほっこり感を大切にしたほうがよくなります。
また自分に合った瞑想を見つけるのは大事です。「この瞑想は伝統だから」「誰某が良いといっているから」といった価値観ではなく、自分にフィットする瞑想を行うことです。
また真我系ヒーリングを受けて、心身の奥から解放しバランスを整えていくこともおすすめです。
なぜ瞑想はこの3ステップでよいのか
「瞑想」と聞くと、「もっと複雑なやり方」「本当は秘密のやり方」があるのではないの?と思う方もいるかもしれませんよね。
たしかに、瞑想には細かな方法の違いがあります。宗教や伝統ごとにさまざまな教理もあります。
けれども、初心者の方が最初に身につけることは、技法の数ではなく、リラックスして気づく(見守る・感じる)ことなんですね。
瞑想の3ステップに含まれているもの
リラックスして静かに座る。呼吸に注意を向ける。思考に気づいたら戻る。
この流れの中には、瞑想の基本がすべて含まれています。
つまり、身体を落ち着けること、今起きていることに注意を向けること、気づきがそれたら戻ること。
これらができれば、瞑想の土台はできているといえるんですね。
初心者はシンプルな瞑想のやり方が最短ルート
多くの人は、瞑想を始めるとすぐに「もっと深く」「もっと静かに」「もっと長く」と考えがちかもしれませんよね。
けれども、最初から高度なことを目指すと、うまくゆきません。しかも「力み」が生じます。無理をしてしまうんですね。
で、その「力み」や「無理」によって、呼吸をコントロールしたり、心と体を緊張させたりして、瞑想を苦しい行為にしてしまいがちに。
ですから、最初はシンプルであることが大切なんですね。
複雑ではないシンプルな手順を、丁寧に、やわらかく繰り返す。
この基本が、実はもっとも近道でして、遠回りをしなくなる歩みになります。まさに「急がば回れ」なんですね。
ステップ① リラックスして静かな場所で座る|瞑想の姿勢と座り方
瞑想の姿勢は、「正しい形」よりも「リラックスしつつ、ゆるく意識がある状態」であることが大切です。
姿勢をピシっとしたり、手の位置や形にこだわりすぎると、力んでしまいがちです。無自覚のうちに緊張してしまいます。
力むことなく、背筋を軽く伸ばし、肩や顔の力をスっと抜きます。自然にラクに座ってください。このくらいの自然体がちょうどよい状態なんですね。
なお瞑想を行う場所については後述します。
瞑想の座り方の種類|あぐら・椅子・仰向けどれでもよい
瞑想の座り方には、大きく分けて次の種類があります。
- あぐら(楽座)
- 椅子に座る
- 仰向け・横になる
どれが正解ということはありません。自分の体の状態や環境に合わせて選ぶことが大切です。
あぐら(楽座)で座る場合
床にあぐらをかいて座るのは、最もオーソドックスな瞑想の姿勢のひとつです。
ただし、あぐらが「瞑想らしい」からと無理に組む必要はありません。股関節が硬い方や、長時間座ると膝や腰が痛くなる方には向かないこともあります。
あぐらで座る場合は、骨盤をやや前傾させて座骨(坐骨)で床を押すように座ると、背筋が自然に伸びやすくなります。クッションや座布団を少し高めに重ねてお尻の下に敷くと、骨盤が安定しやすくなります。
足の組み方は、どちらの足を前にしても構いません。しびれやすい方は、途中で組み替えてもOKです。
椅子に座って瞑想する場合
椅子に座っての瞑想は、「本格的ではない」と思われることがありますが、まったくそんなことはありません。
椅子座りは膝や腰への負担が少なく、長時間でも安定しやすいため、初心者の方や身体に不調がある方にとって、むしろ向いている座り方です。
椅子に座る場合は、背もたれに深くもたれかからず、背筋をゆるく立てて座ります。足の裏を床にしっかりつけ、膝が90度くらいになる高さの椅子が理想的です。
背もたれを使うこと自体はNGではありませんが、もたれると背筋がゆるみすぎてぼんやりしやすくなることもあります。背もたれは「支え」として軽く使う程度にとどめるのがおすすめです。
仰向け・横になって瞑想する場合
仰向けや横になりながらの瞑想も、れっきとした瞑想のやり方です。
ヨーガでは「シャバ・アーサナ(死体のポーズ)」という仰向けのポーズが究極のリラックスとされているくらい、横になることは瞑想において理にかなっています。
ベッドの上や布団の中でも瞑想はできます。寝る前の瞑想として取り入れている方も多いです。
ただし、仰向けや横になると眠気が出やすいという面があります。眠ってしまうことを「瞑想」と混同しないように注意が必要です。
「眠り」と「瞑想」は異なります。眠くなってきたら、少し目を開けたり、座り直したりして、意識をゆるく保つようにしましょう。
なお、寝ながら・仰向けでの瞑想は脱力(全身の力を抜くこと)がしやすいため、心身の疲れが強いときや、緊張が強くリラックスが難しいときに特に効果的です。
瞑想の楽な姿勢とは何か
「楽な姿勢」というのは、だらりとした姿勢のことではありません。
力が抜けていながら、意識がゆるくある。そのバランスが「楽な姿勢」です。
だらっとしすぎると、気づきが弱くなりぼんやりしてしまいます。逆に、ピシっとしすぎると、力みが生じて瞑想が硬くなります。
背筋をゆるく伸ばし、肩・首・顔の力をすっと抜いた状態が、瞑想に適した楽な姿勢の目安です。最初は少しぎこちなく感じても、続けていくうちに自然と落ち着いてきます。
瞑想中の手の形・手のひらの置き方
瞑想中の手の形(ムドラー)については、特別に決まりはありません。
よく見られる手の置き方としては、
- 膝の上に手のひらを上向きに置く(開いた状態)
- 膝の上に手のひらを下向きに置く(落ち着きやすい)
- 両手を重ねてお腹の前に置く(法界定印)
といったものがあります。
どの形でも構いません。大切なのは手や腕に余計な力が入っていないことです。手に意識が向きすぎると、そちらへの執着になることもありますので、自然に落ち着く置き方を選んでください。
瞑想中の目の状態|目を閉じる・半眼・半目
瞑想中の目の状態については、大きく3つあります。
- 目を閉じる……最も一般的。内側への集中がしやすい。ただし眠気が出やすい。
- 半眼(半目)……目を半分だけ開いた状態。眠くなりにくく、外の情報も遮断しすぎない。禅や上座部仏教などの伝統では一般的。
- 目を開けたまま……慣れてくると目を開いたままでも瞑想できるようになる。日常生活の中で「いまここ」を実践するときにも使える。
初心者の方は目を閉じるところから始めるのが取り組みやすいです。眠気が気になる場合は半眼を試してみてください。
どちらが正解ということはなく、自分に合った状態を見つけていくことが大切です。
瞑想でのリラックスと脱力の大切さ
瞑想ではリラックス・くつろぎが大切です。
ヨーガでは「シャバ・アーサナ(死体のポーズ)」が究極とされているくらい、リラックス・くつろぎは瞑想の本質的なエッセンスなんですね。
脱力とは、余計な緊張を手放すことです。意識的に力を抜こうとするというよりも、「ゆるんでいい」という感覚でいるだけで、自然に力が抜けていくことが多いです。
リラックスと明晰さのバランスが大切
リラックス・くつろぎといっても、眠気に流されすぎると、ぼんやりして気づきが弱くなります。逆に、頑張りすぎると緊張が強くなります。
瞑想では、この辺りのバランスが大事になってきます。
とはいっても理屈で理解して行うのではないんですね。実践を重ねる中で少しずつわかるようになります。
弛緩と明晰性
瞑想では「ゆるみ(弛緩)」と「明るさ(明晰性)」の両方が必要です。
このバランスは最初から完璧でなくても大丈夫です。
余計なことを考え過ぎずに気楽な感じで実習を重ねていく中で、要領が腹落ちし、わかるようになります。
瞑想の姿勢は完璧でなくてよい
姿勢については、多くの方が「正しくやらなければ」と考えがちな傾向があります。
ですが、無理な姿勢は逆に瞑想を妨げることになります。
基本は、力まずに、リラックスして座るということでOKです。床に座るだけでなく、椅子に座るのもOK。仰向けでもできます。
違和感があっても問題ない
瞑想をして楽(ラク)に感じるというのはリラックスの深まりと関係していますが、「慣れ」もあります。
座る場合は、体を支える「体幹」がある程度、整っていませんと、ラクに座りにくくなります。
最初は違和感があったり少し苦しく感じても、座り続けていますと(リラックスしていると)、体幹が強くなってラクに座れるようになります。
この点においても、焦らないで、「そういうものだ」として瞑想をしていくのがおすすめです。
ステップ② 呼吸に意識を向ける|瞑想の呼吸法と意識の向け方
瞑想の対象として最もよく使われるのが「呼吸」です。
なぜ呼吸なのかというと、呼吸は常に「今ここ」で起きている現象だからです。過去にも未来にも行けない。今この瞬間にしか呼吸はありません。だからこそ、「いまここ」に意識を戻す錨(アンカー)として、呼吸はとても適しているんですね。
ただし呼吸にこだわりすぎる必要はありません。「お腹のふくらみ縮み」「足の裏」「手のポジション」「皮膚の感覚」などを対象にしてもOKです。
どれを対象にしても要領は呼吸への気づきと同じになります。
瞑想の呼吸のやり方|基本は「自然な呼吸をそのまま見守る」
呼吸は自然に行い、その動きを観察します(見守ります、感じます、気づきます)。
- 吸っている
- 吐いている
このシンプルな観察が、瞑想の基本です。
呼吸に意識を向けるとき、初心者の方は「深呼吸をしなければいけないのか」「呼吸を整えるべきなのか」と迷うことがあるかもしれません。
けれども、基本的には自然な呼吸をそのまま見守るようにします。
息を吸っている、吐いている。お腹が少し膨らむ、しぼむ。鼻先に空気が触れている。そうした自然な動きを観察します(見守ります、感じます、気づきます)。
呼吸を操作しない
呼吸をコントロールしようとする必要はありません。といいますか、操作してはいけないんですね。
意図的に「深くしよう」「ゆっくりにしよう」と考えなくても大丈夫です。
ただ「今、吸っている」「今、吐いている」と気づく(感じる)。
この繰り返しによって、心が落ち着いていくようになります。
呼吸を意図的に行おうとすると、ぎこちなくなって苦しくなる場合があります。また不自然な力みが出ることもあります。
呼吸の状態を評価しない
「呼吸が浅いからダメ」「速いからダメ」「うまく感じられないからダメ」と思う必要もありません。
呼吸が浅いなら「浅いな」と気づく(そのままにしながらゆるく気づく)、速いなら「少し速いな」と気づく(そういうものだとしてゆるく気づく)。
こうしているだけで十分です。
呼吸は心を映す
対象(ここでは呼吸ですが)を見ることの意味は、「理想の状態に変える・作る」ことではなく、「今起きているありのままの自分の状態を知る」ことにあります。
心が乱れているときは呼吸も乱れやすく、落ち着いているときは呼吸も穏やかになりやすいですね。
呼吸を見ることによって、自然に心もおだやかになってまいります。
瞑想と腹式呼吸の関係
「瞑想では腹式呼吸をするべきか」という疑問を持つ方は少なくありません。
腹式呼吸とは、お腹をふくらませながら息を吸い、お腹をへこませながら息を吐く呼吸のことです。副交感神経を優位にしやすく、リラックス効果が高いとされています。
瞑想において、腹式呼吸を意識することは、リラックスの助けになることがあります。ただし、腹式呼吸を「しなければならない」と意識しすぎると、それ自体が操作になってしまいます。
自然に呼吸をしていると、リラックスが深まるにつれて、呼吸は自然と腹式に近づいていくことが多いです。
ですので、「腹式呼吸をしよう」と作り込むよりも、まずは自然な呼吸を見守ることを優先してください。お腹のふくらみ・縮みが感じられるようであれば、それを瞑想の対象にするのもよい方法です。
鼻から吸って鼻から吐く呼吸
瞑想では一般的に、鼻から吸って鼻から吐く呼吸が基本とされています。
口呼吸に比べて鼻呼吸は、空気が温められ・湿度が調整され・フィルターされた状態で肺に届くため、身体への負担が少ない呼吸です。また、副交感神経を活性化しやすく、瞑想のリラックス状態と相性が良いとされています。
ただし、鼻づまりがある場合や、どうしても鼻呼吸が苦しい場合は、無理に鼻呼吸にこだわる必要はありません。自然に楽に呼吸できることが何より大切です。
数息観(すうそくかん)|呼吸を数える瞑想のやり方
呼吸に意識が向けにくい方、雑念が多くて困っている方に向いているのが、呼吸を数える瞑想です。
禅の伝統では「数息観(すうそくかん)」と呼ばれ、古くから実践されてきた方法です。
やり方はシンプルです。
- 息を吐くたびに「ひとつ」「ふたつ」……と、10まで数える
- 10まで数えたら、また「ひとつ」に戻る
- 途中で数を忘れたり、雑念に気づいたら、「ひとつ」に戻る
「数を数えること」が意識の拠り所になるため、呼吸だけに集中するのが難しい初心者の方にも取り組みやすい方法です。
ただし、数を数えることに必死になったり、「ちゃんと10まで数えなければ」と力んでしまうと、本末転倒になります。数はあくまで「補助」であり、呼吸に気づくことが目的であることを忘れないでください。
誘導瞑想(ガイデッド・メディテーション)について
「自分一人ではうまくできない」「何から始めればいいかわからない」という方には、誘導瞑想(ガイデッド・メディテーション)という方法があります。
誘導瞑想とは、音声や動画の言葉に従いながら行う瞑想のことです。「目を閉じてください」「呼吸に意識を向けてください」「肩の力を抜いてください」といった言葉の誘導に従いながら進めていきます。
誘導瞑想のメリットは、
- 何をすればよいかがわかりやすい
- 意識が散漫になりにくい
- 一人でも取り組みやすい
といった点があります。
一方で、誘導に頼りすぎると、誘導がないと瞑想できなくなってしまうこともあります。誘導瞑想はあくまで入口・補助として活用し、少しずつ自分一人でも座れるようにしていくことが理想です。
誘導の言葉について
誘導瞑想で使われる言葉は、「観察してください」「感じてください」「気づいてください」といった、意識を今この瞬間に向けるための言葉が中心です。
よく使われる誘導の言葉には次のようなものがあります。
- 「呼吸に意識を向けてください」
- 「今この瞬間の身体の感覚に気づいてください」
- 「思考が浮かんでも、それをそのままにして呼吸に戻ってください」
- 「肩の力をスっと抜いてください」
- 「ただ、ここにいてください」
こうした言葉は、瞑想の本質である「いまここ・あるがまま」へと意識を向けるためのものです。言葉に頼りすぎず、言葉の奥にある「感じること」を大切にしていきましょう。
呼吸を感じにくいときの対処法
「呼吸に意識を向けてください」と言われても、最初はそれ自体が難しいと感じる場合もあります。
呼吸瞑想が自分に合っているかどうか
呼吸瞑想が合わない・合っていない場合もあります。瞑想には合う合わないの適性があります。
「違和感がある」「しっくりこない」「どうもうまくできない」場合は、「お腹のふくらみ縮み」「足の裏」「手のポジション」「皮膚の感覚」などを対象にした瞑想に切り替えてください。
「呼吸瞑想が伝統的だから」「王道だから」と思って頑なにしがみつく必要はありません。
最初は曖昧な気づきでも問題ない
呼吸に気づくといっても、「呼吸をはっきり感じよう」「しっかりと見る」必要はないんですね。また頑張るのはよくありません。
「なんとなく吸っている」「なんとなく吐いている」くらいで十分です。おおまかでも大丈夫です。
強く感じる必要はありません。最初の頃は「ハッキリ気づきたい」という欲求や焦りになりやすいのですが、決して無理はしないでください。
瞑想では、焦り、無理、操作はよくありません。今の自分に感じられる範囲で気づくことができれば大丈夫です。
感じやすい部位に意識を向ける
呼吸瞑想の場合は、「鼻に少し空気が触れている」、「お腹がわずかに動いている」、そうした感覚に気づければ(感じることができれば、見守ることができれば)、それで大丈夫です。
自分が意識を向けやすい対象を選ぶことですね。※それ故に「お腹のふくらみ縮み」「足の裏」「手のポジション」「皮膚の感覚」など、瞑想の対象にはいくつかあります。
呼吸に意識を固定しすぎない
音が聞こえて、意識が音に向いたら向いたとして、再び呼吸(対象)に戻ります。
身体の自然な反応に対して、理想の状態にしようとしたり、無理に操作すること自体が、瞑想から外れていきます。
瞑想を行い続ける中で、呼吸(対象)に対してナチュラルに気づきがキープするようになっていきます。
呼吸は戻る場所になる
また呼吸(対象)に戻る場所があることで、思考や感情に巻き込まれすぎたときの「拠り所」がわかるようになります。
何度、呼吸からそれても、また呼吸に戻る。
この繰り返しが、心(自分)を責めることなく、自然に自分を整えていく助けになります。
呼吸を通して自己の解放が起きる
もっとも大事なことは、今の様子をあるがままに知ることで、やがて自分の心(無自覚となっている心)にも気づくようになることです。
無自覚の心に意識が触れることで、自己が解放され、ナチュラルで深い安心感が生じるようになります。これが「観察瞑想」における大きな恩恵です。
ステップ③ 思考に気づいたら呼吸に戻る
瞑想中は思考が出てきます。
思考が出ていながらも、瞑想の対象(呼吸など)に意識が向いているようになります。
思考に気づいても、呼吸(瞑想の対象)にやさしく意識を戻します。
思考と雑念の違い
なおここでは、
・思考・・・はっきりとした考え
・雑念・・・漠然とした想念。識。
としています。
思考が出るのは自然なこと
「思考が出てはいけない」と思わないでください。
思考が出るのはわりと自然なことです。
思考を否定しない
思考を敵対視したり排除することは、無理なことをする、操作する、頑張ることになります。つまり瞑想から遠ざかる行為なんですね。
瞑想は、操作しない・無理しない・頑張らないの原則は、思考との向き合い方でも同じです。
こうしたことを自分で経験していくことで、「智慧」も育っていくようになります。
思考が出ること自体は問題ではない、という点については、瞑想と思考の関係でも詳しく解説しています。
思考は自然に小さくなっていく
瞑想を続けていくと、思考(はっきりした考え)はやがて弱くなり、出る頻度も減っていきます。
代わりに、漠然とした想念が勝手に生じては消えていくことを繰り返していくのが感じられるようになります。
思考も雑念も「そのまま」になりながら、瞑想の対象(呼吸など)に意識が向いている状態になっていきます。
瞑想の深まりとともに、呼吸(対象)に意識が自然に向かうようになります。
雑念が多くても問題ない理由
ここでは「雑念」を漠然とした想念としていますが、瞑想を始めたばかりの方の多くが「雑念が多すぎる」と感じたり、「雑念ばかりで自分には向いていないのではないか」と思う場合もあるようです。
ですが、これらは誤解です。
雑念は自然な現象
雑念が出ることは自然な現象です。
仕事のこと、家族のこと、過去の後悔、未来への不安、自分への評価、人への不満、何気ない連想。
そうしたものが勝手に現れては、自然に消えていきます。いろんな物語が勝手に生じてきます。
実のところ、人は、普段から雑念(漠然とした想念)が頭の中に渦巻いています。識(しき)ともいっています。
雑念が見えるようになっただけ
雑念が多いことは、問題でもなければ、失敗ではないんですね。
瞑想を始めると、今まで気づかなかった雑念(想念が漠然と生じていること)や思考の多さが見えてくるようになります(わかるようになってきます)。
そのため「前より雑念が増えた」と感じることがあります。
でも実際には、増えたというより、見えるようになっただけだったりします。それだけ感受力・自覚力が高まったということなんですね。
自分が普段どれだけ多くのことを無意識のうちに考えているかに気づくようになったということです。
気づきは前進
「雑念だらけ」「雑念ばっかり」というのは悪いことではなく、むしろ大事な前進です。
気づけていなかったものに気づけるようになった、ということだからです。で、観察で大事な感受力が高まった証です。
雑念を抑え込まない
雑念の内容もさまざまですが、そのときに「こんなことを考えてはいけない」と抑え込もうとしないことです。
雑念を意識して、操作しようとしたり、消そうとすると力んでしまいます。で、かえって雑念が気になってしまいます。
雑念を意識化してしまうことになり、かえって気になってしまいます。
雑念との正しい向き合い方
ですから、雑念が出てきたら、
- 考えていたな
- 不安が出てきたな
- 評価していたな
- 思い出していたな
と、やさしく・すっと気づいて(ハッキリと自覚するのではなくやんわりと気づいて)、呼吸(瞑想の対象)に戻ります。
これが「気づき」をともなった「あるがまま」です。
この「気づいて戻る」「あるがまま」「ありのまま」の経験が増えるほど、少しずつ心に巻き込まれる感覚が減ってきます。
思考や雑念に巻き込まれにくくなる
瞑想では、思考や雑念を否定したり排除したりするのではなく、その思考や雑念に気づいても、呼吸(瞑想の対象)に自然に意識を向けるようにしていきます。
思考や雑念に気づくのではなく、気づいてしまっても「そのまま」「あるがまま」にして、瞑想の対象に意識を向けることなんですね。
このように続けていると、思考や雑念に巻き込まれるのが「自然に」減っていくようになります。
意図的に巻き込まれない状態を作るのではなく、自然にそうなっていくというのが大切です。
意図的な操作、無理、力みをしないで、適切に行っていくと、自然にそうなっていきます。
自然な距離感が出てくる
人によっては「ナチュラルな距離感が出てくる」ともいっています。
ただ「距離感」というと、「解離した意識(危険な意識の二分化・分離)」にも受け止められる懸念もありますが、要するに「あるがまま」「ありのまま」ということなんですね。
日常のストレスが少なくなる
思考や雑念に対して「ありのまま」「あるがまま」になってくると、日常生活の中でもメリットや恩恵を感じるようになります。
- 欲しいもの、願い、怒りなどへのとらわれが減っていく
- 考えに支配される感じが減る
- 焦りが出ても、その焦りに振り回されるのが減っていく
- 不安な考えが出ても、それにすぐ巻き込まれにくくなっていく
こうした意識の変化によって、日常がおだやかに感じられることが多くなり、生き生きとしてくるようにもなります。
逆にいえばストレスが減っていくともいえます。瞑想の恩恵の一つが、日常においてストレスが軽減していくことだったりします。
瞑想の時間とタイミング|いつ・何分やればいいのか
瞑想を始めるとき、「いつやればいいのか」「何分やればいいのか」という疑問を持つ方は多いです。
結論からいえば、自分が無理なく続けられる時間とタイミングが、いちばんの正解です。
ただ、目安や考え方を知っておくと、継続しやすくなります。ここでは時間・タイミングについて詳しく解説します。
瞑想は何分からはじめればいいのか
まったく初めての方は、1分・3分・5分からで十分です。
「瞑想は最低20分以上しなければ意味がない」と思っている方もいますが、そんなことはありません。短時間でも、毎日続けることの方がずっと大切です。
目安としては、
- 1〜3分……超入門。まずは座る習慣をつけるための長さ。忙しい方やどうしても時間が取れない日にも使える。
- 5分……初心者が最初に目指す目安。「5分だけ」と決めると始めやすく、続けやすい。
- 10分……少し落ち着いてきた方の日常的な目安。心が少しずつ整い始める感覚が出やすい。
- 15〜20分……慣れてきた方におすすめ。瞑想の深まりを感じやすくなってくる長さ。
- 30分以上……習慣として定着してきた方向け。ただし無理に長くする必要はない。
最初から30分・1時間を目指す必要はまったくありません。5分を毎日続けることの方が、週1回の1時間よりも深まりやすいことも多いんですね。
1日何分が理想か
1日の理想的な瞑想時間については、研究や伝統によってさまざまな見解があります。
一般的には1日20分が目安としてよく挙げられます。ただしこれはあくまで目安であり、絶対ではありません。
大切なのは「何分やったか」ではなく、「ありのままに気づいている時間を持てたか」という質の部分です。
瞑想の長時間・やりすぎに注意
一方で、瞑想の長時間・やりすぎには注意が必要です。
無理に長時間続けると、心身に負担がかかることがあります。特に、精神的に不安定な状態や、強いストレスを抱えている時期に長時間の瞑想を行うと、かえって心身の変調をきたすことがあります(偏差・瞑想病と呼ばれることもあります)。
瞑想は「量より質」。無理のない範囲で、丁寧に続けることが基本です。
瞑想のタイミング|朝・夜・寝る前、いつがいいのか
瞑想をするタイミングに「絶対の正解」はありません。ただ、時間帯によって向き不向きがあります。
朝の瞑想がおすすめな理由
朝は、瞑想に最も向いている時間帯のひとつです。
理由としては、
- 睡眠後で心身がリセットされており、雑念が比較的少ない
- 一日の始まりに行うことで、その日の心のベースラインが整いやすい
- 朝の静けさが瞑想環境として適している
- 習慣化しやすい(起きたらすぐ、というルーティンが作りやすい)
朝5分だけでも、起きてすぐに座る習慣をつけると、日中の心の安定感が変わってくることがあります。
朝の瞑想のやり方としては、起床後にトイレを済ませ、水を一杯飲んでから静かに座る、というシンプルな流れがおすすめです。
夜・寝る前の瞑想について
夜・寝る前の瞑想も、多くの方に取り入れやすいタイミングです。
一日の終わりに座ることで、その日に積み重なった緊張や疲れ、感情の澱(おり)を少しほぐしてから眠りにつくことができます。睡眠の質が上がったと感じる方も多いです。
ただし、夜の瞑想には注意点もあります。
疲労が強い状態で行うと、眠気が強くなり、瞑想というより「うとうとして終わり」になりがちです。また、夜間に深い瞑想状態に入ると、逆に意識が活性化して眠れなくなる方もいます。
寝る前の瞑想は、深めるよりもリラックスを目的とした、軽めの実践にとどめておくのがおすすめです。
なお、「夜の瞑想は危険」という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。これは、夜間に強い集中瞑想や観察瞑想を深めすぎると、意識が過度に活性化したり、エネルギー的な変動が起きやすいという意味合いで語られることがあります。初心者のうちは、夜はリラックス中心の軽い瞑想にとどめておくのが無難です。
朝と夜、両方やってもいいのか
朝と夜の両方に瞑想を取り入れることは、問題ありません。むしろ、慣れてきた方には朝晩2回の実践が深まりやすいともいわれています。
ただし、無理に2回やろうとすると負担になります。まずは1回を安定して続けることを優先してください。
瞑想に最適な時間帯はあるのか
仏教や瞑想の伝統では、夜明け前後(午前4〜6時ごろ)が瞑想に最も適した時間帯とされることがあります。
この時間帯は、街が静かで、心身が睡眠後のニュートラルな状態にあり、意識が研ぎ澄まされやすいとされています。
ただし、現代の生活においてこの時間帯に毎日起きることは難しい方も多いですね。「最適な時間帯に合わせること」よりも、「自分が続けられる時間に行うこと」の方が、はるかに重要です。
瞑想の頻度|毎日やらないといけないのか
毎日続けることが理想ですが、できない日があっても問題ありません。
「毎日やらなければ意味がない」と思うと、それ自体が重荷になります。できない日があっても「また戻ればいい」という気楽さが、長続きの秘訣なんですね。
ただ、週1〜2回よりも、短くても毎日続ける方が、感覚の定着という意味では深まりやすいことが多いです。
1日5分でもいいので、毎日の習慣にしていくことが、瞑想を生活に根づかせる上でいちばん大切なことです。
瞑想をルーティン・習慣にするためのコツ
瞑想を続けるためには、「いつ・どこで・何分」をゆるく決めておくことが有効です。
たとえば、
- 朝起きてすぐ、ベッドから出たら椅子に座って5分
- 夜、歯を磨いた後に布団の上で10分
- 仕事の昼休みに、椅子に座ったまま3分
といったように、既存の習慣(歯磨き・起床・食事など)とセットにすると、忘れにくく続けやすくなります。
また、タイマーを使うこともおすすめです。「何分経ったかな」と気にしながら瞑想すると、意識がそちらに向いてしまいます。タイマーをセットしておけば、時間を気にせず瞑想に集中できます。
タイマーの音は、急に鳴るものよりも、ゆるやかに鳴り始める音(ベルや鐘の音)の方が瞑想の終わりにふさわしいです。スマートフォンのアプリにも瞑想用のタイマーが多くあります。
完璧なルーティンを目指さない
ルーティンを決めたとしても、できない日は必ずあります。出張・体調不良・家族の予定など、想定外のことは起きるものです。
「できなかった」と責めるよりも、「また明日から戻ればいい」という感覚を持つことが、瞑想の習慣化においてもっとも大切な心がけです。
瞑想は、完璧に続けるものではなく、生活の中にゆるく根づかせていくものなんですね。
瞑想の場所と環境づくり|どこでやるのか、部屋の整え方
瞑想をする場所や環境について、「どこでやればいいのか」「どんな環境を整えればいいのか」と迷う方は少なくありません。
結論からいえば、リラックスできて、邪魔が入りにくい場所であれば、どこでも瞑想はできます。
完璧な環境を整えることよりも、まず座ることの方がずっと大切です。
瞑想はどこでやるのか|場所の選び方
瞑想をする場所として、特別な部屋や施設が必要なわけではありません。
自宅の一室で十分です。部屋の隅でも、椅子一つ置けるスペースがあれば問題ありません。
大切なのは、
- 少しのあいだ邪魔が入りにくいこと
- リラックスして座れること
- 毎日同じ場所に戻れること
この3点です。
毎日同じ場所で座ることで、「ここに座ると瞑想モードになる」という感覚が育ってきます。場所自体が瞑想の助けになっていくんですね。
自宅のどこで瞑想するか
自宅で瞑想する場合、よく使われる場所としては、
- 寝室の一角……静かで落ち着きやすい。朝起きてすぐ・寝る前に取り組みやすい。
- リビングの一角……家族がいる場合、早朝や深夜など静かな時間帯に使いやすい。
- 仏壇・神棚のある部屋……精神的な落ち着きを感じやすい方には向いている。
- ベッドや布団の上……仰向けや寝ながらの瞑想をする場合に使いやすい。ただし眠気に注意。
といったところがあります。自分の生活スタイルに合わせて選んでください。
瞑想部屋の環境づくり|明るさ・音・温度
瞑想に適した環境を整えることで、入りやすくなることはあります。ただし、あまりこだわりすぎると「環境が整わないと瞑想できない」という状態になってしまうので、あくまで参考程度にとらえてください。
部屋の明るさ
瞑想中の部屋の明るさは、やや暗め〜薄暗い程度が向いています。
明るすぎると外部からの刺激が多くなり、意識が散りやすくなります。真っ暗にする必要はありませんが、カーテンを閉めたり、間接照明を使ったりして、やわらかい光の環境にするとリラックスしやすくなります。
朝の自然光の中で行う場合は、直射日光が当たらない方向で座るか、薄いカーテン越しの光の中で座るとよいでしょう。
音・無音について
瞑想に理想的な音環境は、静かであることです。ただし、完全な無音は必ずしも必要ではありません。
車の音、風の音、生活音など、ある程度の自然な音があっても、慣れてくれば気になりにくくなります。むしろ「音に気づいて、また呼吸に戻る」という実践自体が瞑想の一部になります。
一方で、テレビや音楽がかかっている、頻繁に話しかけられる環境では、集中しにくくなります。
完全な無音を作ることに労力をかけるより、邪魔が入りにくい時間帯を選ぶ方が現実的です。
なお、BGMとしてヒーリング音楽・自然音・ホワイトノイズなどを流す方もいます。外の雑音が気になる場合の遮音として有効なこともあります。ただし音楽に意識が向きすぎると、瞑想の対象(呼吸など)への気づきが薄れることもあります。音楽はあくまで補助として活用してください。
温度・香りについて
寒すぎたり暑すぎたりすると、身体が気になって瞑想に集中しにくくなります。体温が保てる、ゆったりとした服装と室温を整えておくと座りやすくなります。
お香やアロマを焚くことで、リラックスしやすい環境を作る方もいます。嗅覚は意識を「今ここ」に引き戻す働きがあり、瞑想のスイッチとして活用することもできます。ただしこれも必須ではありません。
雑音があっても瞑想はできる
「雑音があると瞑想できないのではないか」と思う方もいますが、ある程度の物音は大丈夫です。
車の音、生活音、風の音、人の気配などがあっても、その音に気づいて、呼吸に戻るようにしていきます。リラックスの深まりとともに、これは自然にできるようになってきます。
静かな理想的な瞑想環境を求めるあまり、いつまでも始められない方がもったいないです。
まず座ること。環境は、続けながら少しずつ整えていけばよいのです。
習慣化しやすい場所を決める
「今日はここで座る」と決められる場所を一つ作っておくと、習慣化しやすくなります。
たとえば、
- 朝起きてすぐに座る椅子
- 夜寝る前に座る部屋の一角
- 仕事前に一息つく机の前
- 仏壇・神棚のある部屋
といったように、場所と時間をゆるく結びつけておくと、瞑想が生活の一部になりやすくなります。
瞑想を続ける上で大切なのは、「理想の瞑想空間をつくること」よりも「まずは瞑想をすること」なんですね。
外出先や職場でも瞑想はできるのか
自宅以外でも、瞑想はできます。
たとえば、
- 職場の休憩室や個室……昼休みなどに椅子に座ったまま、目を閉じて3〜5分だけ行う
- 電車・バスの中……目を閉じて呼吸に意識を向けるだけでも、短い瞑想になる
- 公園・自然の中……自然音の中で座るのは、リラックスしやすい環境として理想的
といった場所でも、工夫次第で瞑想の時間を作ることができます。
場所や環境を選びすぎず、「今ここで少し座れる」という状況を活かしていく柔軟さが、瞑想を生活に根づかせる上で大切です。
瞑想の環境づくりにこだわりすぎないこと
ここまで環境について説明してきましたが、最後に大切なことをお伝えします。
環境は「助け」であって、「条件」ではありません。
「完璧な環境が整ったら始めよう」と思っているうちは、なかなか始められません。また、環境が整わないと瞑想できない状態になってしまうと、旅先や忙しい時期に瞑想が途切れてしまいます。
どんな環境でも、今この瞬間に気づくことができれば、それが瞑想です。
環境を整えることは、瞑想をしやすくするための工夫に過ぎません。まずは今ある環境の中で、座ってみることが何より大切なんですね。
瞑想の注意点・危険性・逆効果|やりすぎや間違った取り組み方について
瞑想は心身に良い影響をもたらす実践ですが、取り組み方を誤ると、逆効果になったり、心身に変調をきたすことがあります。
「瞑想は良いものだから、たくさんやればやるほどいい」という考え方は、必ずしも正しくありません。
ここでは、瞑想の注意点・危険性・逆効果について、正直にお伝えします。
瞑想の危険性とは何か
瞑想の危険性として挙げられることには、主に以下のようなものがあります。
- 偏差(へんさ)・瞑想病……心身の変調。頭痛、動悸、不眠、不安感の増大、感覚の過敏化など。
- クンダリーニ症候群……エネルギー的な覚醒が急激に起きた場合に生じることがある心身の不安定状態。
- 解離症状……自分が自分でない感じ、現実感が薄れる感覚。体から離れたところから自分を見るような意識状態が習慣化することで起きることがある。
- 精神的不安定の悪化……もともとメンタル的に不安定な状態で深い瞑想を行うと、症状が悪化することがある。
ただし、これらは適切な取り組み方をしていれば、多くの場合は起きません。
問題が起きやすいのは、無理な長時間瞑想、間違った方法、精神的に不安定な状態での深い実践、指導者なしでの独学での無理な深め方などが重なった場合です。
瞑想が逆効果になるケース
瞑想が逆効果になりやすいケースとして、以下のものが挙げられます。
頑張りすぎる瞑想
「もっと深めなければ」「もっと長くやらなければ」と力んで行う瞑想は、心身に余計な緊張をもたらします。
頑張れば頑張るほど、かえって心が落ち着かなくなることがあります。瞑想において、ガンバリズムは逆効果の代表格です。
思考を止めようとする瞑想
「思考をなくそう」「無になろう」と強く意図する瞑想は、思考により強く関わることになってしまいます。
結果として、思考がかえって強く感じられたり、焦りが生じたりします。
思考は出てくるものです。それをなくそうとするのではなく、気づいて呼吸に戻るというシンプルな実践の方が、はるかに自然です。
体から離れて観察する瞑想
頭の上や後方、斜め上などから「自分を観察する」というやり方は、意識を二分(解離)させることになります。
これは瞑想ではなく、解離性の意識状態を作ることになります。継続すると、解離症状や現実感の喪失につながることがあるため、おすすめしません。
瞑想では、意識は統一する方向に進みます。自分の中にいながら、ゆるく気づいている状態が本来の瞑想です。
神秘体験・特別な体験を求める瞑想
「光が見えた」「体が浮く感じがした」「深い静寂に入った」といった体験を求めて瞑想を続けると、「今ここ・あるがまま」から離れていきます。
体験を追いかけることは、瞑想への「とらわれ」になります。また、こうした体験を悟りや覚醒と結びつけすぎることも危険です。
瞑想中に生じるさまざまな体験は、ただの通過点に過ぎません。良い体験も悪い体験も、「そのまま」にして、呼吸に戻ることが大切です。
瞑想のやりすぎに注意
瞑想は良い実践ですが、やりすぎも問題になることがあります。
長時間の瞑想を毎日続けると、
- 心身の疲弊
- 現実生活からの乖離感
- 感覚の過敏化
- 日常生活への支障
といった変調が起きることがあります。
特に、精神的に不安定な時期や、強いストレスを抱えている時期に長時間の瞑想を行うことは避けた方が無難です。
瞑想は「量より質」です。毎日短時間を丁寧に続ける方が、長時間を無理に続けるよりも、健全に深まりやすいです。
また、瞑想をしていて心身の変調を感じた場合は、いったん実践をゆるめるか休止し、信頼できる指導者に相談することをおすすめします。
瞑想のデメリットとして知っておきたいこと
瞑想には多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットや留意点もあります。
感受性が高まることで一時的に辛くなることがある
瞑想を続けると、感受性・自覚力が高まります。今まで気づかなかった自分の感情・思考・身体の感覚に気づくようになります。
これは成長の証でもありますが、一時的に「前より辛くなった」「感情が揺れやすくなった」と感じることがあります。
これは、今まで無意識のうちに抑えていたものが表面に出てきているサインであることが多いです。一時的な揺れとして、焦らずに続けることが大切です。ただし、揺れが激しい場合は無理をしないでください。
依存的になることがある
瞑想の心地よさや静けさに慣れると、「瞑想しないと落ち着かない」という状態になることがあります。
これは、瞑想に「とらわれている」状態です。瞑想は日常を支えるための実践であり、瞑想なしでは生きられないものではありません。
瞑想は生活の一部として自然に根づくものであり、それに依存するものではないという感覚を保つことが大切です。
精神的な問題を抱えている方への注意
うつ病、解離性障害、統合失調症、境界性パーソナリティ障害などの精神的な問題を抱えている方が、深い瞑想実践を行うことは、症状を悪化させるリスクがあります。
こうした方が瞑想を行う場合は、必ず医師や専門家に相談した上で、信頼できる指導者のもとで行うことを強くおすすめします。
夜の瞑想の危険性について
「夜の瞑想は危険」という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。
夜間に強い集中瞑想や観察瞑想を深めすぎると、意識が過度に活性化し、眠れなくなることがあります。また、夜間はエネルギー的な変動が起きやすいとも言われます。
初心者のうちは、夜はリラックス中心の軽い瞑想にとどめておくのが無難です。深い実践は朝の時間帯に行う方が安定しやすいです。
瞑想の危険を避けるために大切なこと
瞑想の危険性を避けるために、特に大切なことをまとめます。
- 無理をしない・力まない……瞑想の基本姿勢そのものが、危険を避けることにもつながっています。
- 短時間から始める……最初から長時間行わず、5〜10分から始めることで、心身への負担を抑えられます。
- リラックスを大切にする……リラックスは瞑想の安全装置でもあります。くつろぎのある瞑想は、偏差が起きにくいとされています。
- 独学での深め方には注意する……独学で無理に深めようとすることはリスクがあります。信頼できる指導者や瞑想会に参加することをおすすめします。
- 変調を感じたら休む……頭痛・動悸・強い不安・現実感の喪失などを感じた場合は、いったん実践を休止してください。
瞑想は、正しく・無理なく続けることで、心身に良い変化をもたらしてくれる実践です。怖がりすぎる必要はありませんが、自分の状態に正直に向き合いながら進めることが、長く続けていく上でいちばん大切なことです。
瞑想のつまずき・よくある悩みと対処法
瞑想を始めた多くの方が、似たようなところでつまずきます。「自分だけがうまくできないのではないか」と思いがちですが、そんなことはありません。
ここでは、よくある悩みとその向き合い方を整理します。
瞑想できているかわからない・やり方がわからない
「これで合っているのか」「瞑想できているのかどうかわからない」という悩みは、初心者の方に非常によくあります。
瞑想には「完璧にできている状態」というものがありません。
呼吸に意識を向けようとしている、雑念に気づいた、また呼吸に戻った。これだけで、瞑想はできています。
「うまくできているかどうか」を気にすること自体が、評価・ジャッジであり、それもまた瞑想の観察対象になります。「また評価しているな」と気づいて、呼吸に戻ればいいんですね。
「わからない感じがある」なら、「わからない感じがあるな」とそのまま気づく。この繰り返しが瞑想です。
瞑想中に集中できない・雑念が止まらない
「集中できない」「雑念だらけで瞑想になっていない気がする」という悩みは、おそらく最もよくある悩みです。
まず大前提として、瞑想は「集中を作り込む行為」ではありません。
雑念が出ることは自然なことです。むしろ、雑念が出ていることに気づけているなら、それはすでに「気づき」が働いているということです。
雑念が多いのは感受力が高まったサイン
瞑想を始めると「前より雑念が増えた気がする」と感じる方がいます。
しかし実際には、雑念が増えたのではなく、今まで気づかなかった雑念が見えるようになっただけです。それだけ感受力・自覚力が高まったということなんですね。
考え事・思考が止まらないときの向き合い方
仕事のこと、人間関係のこと、将来への不安。瞑想中にこうした考え事が次々と浮かんでくることがあります。
このとき、思考を止めようとしたり、押し込もうとしないことが大切です。
「また考えていたな」とやさしく気づいて、呼吸に戻る。この繰り返しだけで十分です。
思考が出ること自体は問題ではありません。思考に気づかずに流されていることが、瞑想から遠ざかることです。気づけている時点で、瞑想はできています。
瞑想がうまくいかない・うまくできない
「何度やってもうまくいかない」「続けているのに変化がない」という悩みも多く聞かれます。
うまくいかないと感じるときは、たいていの場合、以下のどれかが起きています。
- 力みすぎている(頑張る瞑想になっている)
- 理想の状態を作ろうとしている(操作している)
- 結果を急ぎすぎている(焦りがある)
- 評価・ジャッジが強くなっている
「うまくできない」と感じること自体を、やさしく観察してみてください。どこかで力んでいる、急いでいる、評価しているということに気づくはずです。
気づいたら、少し力を抜いて、また呼吸に戻る。それだけでいいんですね。
瞑想が苦手・難しいと感じる
「瞑想が苦手」「難しくてできない」という方には、いくつかのパターンがあります。
じっとしていること自体が苦手な場合
じっと座っていることが苦手な方には、歩きながら行う歩行瞑想や、動きをともなうボディスキャンなどが向いていることがあります。
また、最初は1〜2分の非常に短い時間から始めることで、「座る」ことへの抵抗感を少しずつ減らしていくことができます。
感受性が高くて逆につらくなる場合
感受性が高い方は、瞑想をまじめにやろうとするほど、かえって身体感覚や感情の動きに過剰に気づきすぎて苦しくなることがあります。
そういった方は、気づきをやわらかく・ゆるく行うこと、そしてリラックスやほっこり感を優先することが大切です。「ちゃんとやろう」という意識を手放すだけで、楽になることがあります。
瞑想が苦しくなる・つらくなる
瞑想をしていて苦しくなる場合、主な原因は以下の通りです。
- 呼吸を操作しようとしている……深くしよう・ゆっくりにしようと意図すると、呼吸が不自然になり苦しくなります。
- 力みすぎている……集中しようと頑張りすぎると、身体が緊張して苦しくなります。
- 抑圧していた感情が出てきている……今まで気づかなかった感情が表面に出てくることで、一時的に苦しく感じることがあります。
- 瞑想が自分に合っていない……方法そのものが合っていない場合もあります。別の対象や方法に切り替えることも選択肢のひとつです。
苦しくなったら、無理に続けないことです。いったん目を開ける、深呼吸をする、少し体を動かすなどして、リセットしてから再開するか、その日はそこで終わりにしてよいんですね。
瞑想中に眠くなる・寝落ちしてしまう
瞑想中に眠くなることは、非常によくあることです。
特に、疲れているとき・寝不足のとき・仰向けや横になっているとき・夜行うときに眠気が出やすくなります。
眠くなったときの対処法
- 目を少し開ける(半眼にする)
- 座り直して背筋を少し伸ばす
- 時間帯を朝に変える
- 座る姿勢に変える(仰向けから椅子や床座りへ)
- 窓を少し開けて空気を入れ替える
といった工夫で、眠気を軽減できることが多いです。
寝落ちしてしまっても問題ない場合もある
ただし、寝落ちしてしまうこと自体が必ずしも悪いわけではありません。
寝る前の瞑想として取り入れている場合、そのまま眠りに入ることは自然なことですし、深いリラックスの証でもあります。
問題になるのは、「瞑想しているつもりが毎回寝ているだけ」という状態が続く場合です。その場合は、時間帯や姿勢を見直すことをおすすめします。
眠りと瞑想の境目について
瞑想が深まると、眠気と覚醒の境目あたりの、ふわっとした意識状態になることがあります。
これは瞑想が深まっているサインであることも多く、眠ってしまっているわけではありません。ただ、初心者のうちはこれと「本当に寝てしまっている状態」の区別がつきにくいこともあります。
座り続けているうちに、少しずつその違いがわかるようになってきます。
瞑想が続かない・習慣にならない
「続けようと思っても続かない」という悩みも多くあります。
続かない主な原因は、
- 高すぎる目標を設定している(毎日30分など)
- できない日があると自己嫌悪になる
- 効果を実感できずに飽きてしまう
- 生活の中に組み込めていない
といったことが多いです。
対処としては、目標をできるだけ小さくすることが最も有効です。「毎日5分だけ」「朝起きたら1分だけ」というレベルから始めることで、続けやすくなります。
できない日があっても、「また戻ればいい」という感覚を大切にしてください。完璧に続けようとするよりも、ゆるく長く続けることの方が、瞑想においてははるかに大切なんですね。
無になれない・無になろうとしても難しい
「無になれない」という悩みを持つ方も多くいますが、そもそも瞑想の目的は「無になること」ではありません。
「無」を目指すと、「まだ無になれていない」という評価が生まれ、それ自体が思考となって、かえって思考が強くなっていきます。
瞑想でいう「静けさ」は、思考を無理に止めた結果ではなく、思考に巻き込まれずに気づき続けた結果として、自然に訪れるものです。
無になろうとするのではなく、今起きていることに気づき続けること。それが瞑想の本質です。
瞑想中によくある体験
瞑想をしていると、人によってさまざまな体験が現れます。ただし、それらは個人差があります。また、毎回同じように起こるものではありません。
よくある体験としては、
- 心が静かになる
- 身体があたたかく感じる
- 呼吸が楽になる
- 時間が短く感じる
- 逆に落ち着かなさがよくわかる
- 眠気やだるさが出る
このような感覚や状態です。
瞑想中の体験に良し悪しをつけない
ここで重要なのは、体験に対して判断(ジャッジ)は控えるということですね。
どの体験が良くて、どの体験が悪いというものではないんですね。瞑想をして心が静かになる日もあれば、逆に雑念や不安が目立つ日もあります。
それらはその日の状態の違いということも多かったりします。「そういうもの」として、さらりと「ありのまま」として受け止めていくのが瞑想的です。
瞑想体験を追いかけない
また、体験を追いかけすぎないことも大切です。
「前回は気持ちよかったのに今日は何もない」「もっと深い体験をしたい」と思い抱き始めると、瞑想に「とらわれ」が入り込むようになります。
瞑想では、無理なく「とらわれが落ちていく」という進み方をしていきます。瞑想体験にとらわれると、瞑想から遠ざかっていくようになります。
ただ、瞑想体験に対して「よかった」「うれしい」と思うことはいいんですが、瞑想体験そのものにしがみつくことがよくないんですね。
この辺りの違いのニュアンスも、瞑想実践を通して腹落ちさせていく必要もあります。
なお、瞑想が深まる中で生じるさまざまな体験を、そのまま神秘体験や悟りと結びつけないことも大切です。この点は一瞥体験・覚醒体験と悟り体験の違いも参考になります。
瞑想で本当に大切なこと
瞑想で本当に大切なのは、特別な体験を得ることもさることながら、そのときに起きていることに気づくことですね。
ただし、「気づく」といいますと、知的な解釈の「気づく」になってしまう懸念もありますので、「見守る」「感じる」といった言い方が適切なこともあります。
あるいは、「今の様子」「あるがまま」「ありのまま」「いまここ」といった言い方もありますが、本質的には同じ意味になります。
「いまここ」という有り様から、本当の意味での体験も生じてきます。これが大切だと思います。
初心者が誤解しやすい瞑想のコツ
瞑想は、誤解されやすいところが多々あります。
間違った理解のまま続けると、苦しくなったり、認知を歪めてしまうことも起きます。
今まで書いてきたことと重複するところがあるかもしれませんが、ここでは誤解しやすい「瞑想のコツ」を整理します。
瞑想はうまくやろうとしないことがコツ
特に重要なのは「うまくやろうとしないこと」です。
うまくやろうとすることは「操作」です。コントロールなんですね。力みも生じます。その力みが、かえって瞑想を難しくします。
瞑想は「成功させるもの」ではなく、自然な気づきをともなった「あるがまま」「ありのまま」からできるようになっていきます。
瞑想は余計なことを足さないことが大切
瞑想のコツというと、何か特別な技術があるように思われることがあります。
しかし実際には、上達のコツは「余計なことを足さないこと」にあります。つまり「あるがまま」「いまここ」ということですね。
瞑想では頑張りすぎない
たとえば、呼吸に意識を向けるときに、「もっと意識を凝らさなければ」「集中しなければ」と頑張りすぎると、心が緊張してしまいます。体もかたくなります。
「ちゃんと瞑想しなければ」といった「ねば」「べき」は瞑想の大敵です。呼吸は不自然になり、心も窮屈になります。
瞑想ではやわらかい注意を保つ
瞑想のコツは、意識を凝らしたり、集中を作り込むことではないんですね。そういうやり方もありますが、ここでおすすめしているやり方は異なります。
自然に気づける程度のやわらかさを保つことなんですね。力んだ集中ではなく、「やわらかい注意」です。
解離した観察はしない
「観察」「気づく」といっても、自分の体から離れたところに視点を設けて「観察」「気づく」ことをしてはいけません。
時々、頭の上や後方、斜め上などから「観る」というやり方をする方もいますが、これはおすすめしません。意識を解離(二分)させるため、解離性の障害を引き起こす心配もあるからです。
瞑想では意識を二分することはしないで、意識は統一するほうに進んでいきます。でありながらナチュラルに気づく・見守るというのが起きる。これが瞑想です。
弛緩(リラックス)と明晰性(自覚)の両方がそろった状態です。
毎回同じ瞑想状態を求めない
さらに、毎回、同じ瞑想状態を求めないことも肝要です。
昨日は落ち着いていても、今日は落ち着かないかもしれません。今日は眠いかもしれないし、明日は逆に冴えているかもしれません。
そういう違いがあっても「あるがまま」「いまここ」として、やわらかく観察・気づく・見守るのが瞑想です。
瞑想の本質的なコツとは何か
つまり、瞑想のコツとは、理想的な状態を作ることではなく、何かを目指すことでもなく、ガンバリズムでやることでもありません。
どんな日でも、その日その時の有り様に対して、。自然な気づきをともなった「あるがまま」「ありのまま」にあることなんですね。
こうした姿勢で行っていますと、瞑想がやりやすくなり、ずっと自然になります。
初心者が瞑想で不安になりやすいポイント
瞑想を始めたばかりの方は、ちょっとしたことで不安になりやすいかもしれません。しかし、それは自然な反応です。
ここではその向き合い方を確認します。
瞑想初心者が感じやすい不安とは
- これで合っているのだろうか?
- うまくいっているのだろうか?
- 雑念が多すぎるのではないか?
- 何も感じないのはダメなのではないか?
- 少し静かになると不安になる
不安も観察対象にする
こうした不安は珍しくありません。むしろ、多くの初心者が通る道です。
大切なのは、不安があること自体を問題にしすぎないことです。
不安があるなら、「不安があるな」と気づく(そのまま、あるがままとする)。
わからなさがあるなら、「わからない感じがあるな」と気づく(そのまま、あるがままとする)。
そのように、不安そのものも観察の対象にしていきます(そのまま、あるがままとしていきます)。
不安は少しずつ軽減していく
すると、不安に飲み込まれるのではなく、不安が小さくなっていきます(不安との距離が少しずつ取れるようになります)。
瞑想は、安心な状態だけを扱うのではなく、不安や迷いも含めて観ていく実践なんですね。
やってはいけない瞑想
瞑想には避けた方がよい取り組み方もあります。
- 思考を止めようとする
- 無になろうとする
- 体から離れて観察する
- 神秘体験(特別な体験)を求める
これらはすべて逆効果になります。
なぜ逆効果になるのか
「思考を止めよう」とすると、思考に強く関わることになってしまいます。つまり、より思考が強く感じられるようになってしまいます。
「無になろう」とすると、「まだ無になれていない」と自分を評価してしまいます。で、思考が強くなってしまいます。
「体から離れて観察」すると、意識が二つに別れる操作になります(解離した意識)。くつろぎが弱くなり、不安定さ落ち着きのなさが出てくるようになります。
「神秘体験(特別な体験)を求める」と、今起きている現実から離れてしまいます。つまり「あるがまま」「いまここ」から外れていき、瞑想でなくなっていきます。
これらは、力む、何かになる(作りあげる)、急いてしまう(焦り)という「瞑想を阻むあり方」そのものだったります。
瞑想の基本に戻る
瞑想の基本は、何かを作り出すことではなく、今を観る・感じる・気づくことなんですね。
雑念があってもいい。静かでなくてもいい。何も起きなくてもいい。
そのうえで、「今に生きる」ことを重ねていくのが大切ですし、こうした有り様から瞑想の深まりが自然に起きてきます。
瞑想初心者で大切な取り組み方
では、どのような取り組み方が瞑想を自然に深めていくのでしょうか。瞑想では、やり方と同じくらい「取り組み方」も重要です。
ここでは実践の中で特に大切なポイントを整理します。
力を抜いて瞑想を行う
瞑想では、力まないこと・頑張りすぎないことが大切です。頑張れば頑張るほど、心や体に力が入り、呼吸や意識が不自然になり、かえって瞑想がしにくくなります。
そのためには、意図的に力を抜くくらいがちょうどよいバランスになります。
初心者が陥りやすい頑張る瞑想
初心者の方ほど、真面目に取り組もうとするあまり、「頑張る瞑想」になってしまうことがあります。
社会では「努力・頑張り」が推奨されますので、この姿勢を瞑想の文脈に持ち込むケースが極めて多かったりします。一見よさそうに見えるため厄介なんです。かなりつまずきやすいポイントです。
頑張る瞑想とは、たとえば、
- 絶対に集中を切らしてはいけないと思う
- 雑念を出してはいけないと思う
- 短期間で変わらなければ意味がないと思う
- 今日の瞑想は成功か失敗かと採点し続ける
こうしたやり方は、表面上は真面目でも、内側ではずっと緊張と評価が続いています。そのため、心が休まらず、気づきも育ちにくくなります。
力まないこと・頑張りすぎないことが大切なんですね!
理想の状態を作ろうとしないこと
瞑想をしていると、「落ち着いた状態になりたい」「無になりたい」「深めたい」と思うことがあります。
しかし、何かの状態を目指すと、それはすでに「操作」になってしまいます。
初心者がやりがちな操作
初心者がやりがちな操作(なろう・作ろう)には以下のことがあります。
- うまくやろうとする
- 理想の状態を作ろうとする
- 余計なことを付け加える
- 思考を止めようとする
- 無になろうとする
- 体験を求める
- 体から離れて観察する
これらを無意識にやってしまうことも少なくありません。
瞑想は、何かを作る行為ではなく、すでに起きていることに気づく行為なんですね。理想の状態を追いかける必要はありません。
何かになろうとしない・理想状態を作ろうとしないことですね。
瞑想では結果を急がないことが大切
瞑想は、すぐに大きな変化を出そうとすると必ず苦しくなります。焦燥感も高まります。瞑想は、すぐに変化が現れるものではないんですね。
短期間で結果を求めると、焦りが生まれ、それ自体が「とらわれ」となっていきます。
急がないこと、焦らないこと。
焦らず、淡々と続けることが、結果的にはいちばん深まりやすい進み方になります。急がば回れです。
瞑想では良い・悪いと判断しすぎないこと
瞑想をしていると、「うまくできている」「今日はダメだ」など、評価が自然と出てきます。
しかし、その評価にとらわれるほど、意識は思考に引き込まれやすくなります。大切なのは、「評価すること自体に気づく」ことなんですね。
良い・悪いを決めることよりも、「今そう感じている」と気づくこと。そうして「いまここ」。これが瞑想の本質に近づくポイントになります。
初心者が陥りやすい評価のしすぎ
初心者の方は、どうしても瞑想状態への評価・ジャッジをしがちになります。瞑想的な感覚が不十分ですと、どうしても評価・ジャッジ・判断をしてしまいます。
今日は集中できた、今日はダメだった、昨日より雑念が多かった、前回より落ち着けなかった。
こうした比較や評価が強くなると、瞑想そのものより、自分の採点に意識が向いてしまいます。
評価よりも気づき・くつろぎを大切にする
もちろん、振り返ること自体が悪いわけではないんですね。けれども、瞑想中はまず評価より、気づきとくつろぎが大切。
「今こうだな」と観る。
「また考えていたな」と気づく。
「少し力んでいたな」とわかる。
これだけで十分です。
評価を弱め、呼吸の気づきをおこなう。
この方向が、瞑想を自然なものにしてくれます。また自然に「評価しすぎない」ことに落ち着くようになります。
瞑想ができない原因と対策
多くの人がつまずく原因は次の通りです。
- 考えすぎる
- 正解を探す
- 成果を急ぐ
具体的に言えば、次のようなつまずきとなって表れます。
- 雑念が多いと失敗だと思ってしまう
- 少しでも落ち着かないと向いていないと思ってしまう
- 一回で大きな変化を期待してしまう
- 他人の体験談と比べてしまう
- 気づきより評価が強くなってしまう
こうしたつまずきは、初心者にはとてもよくあることです。自分だけがおかしいのではないんですね。多くの人が同じようなところで迷います。
瞑想ができない本質的な原因
瞑想は、誰もが内在している天然自然な有り様へ立ち返ることです。瞑想ができないのは「余計なことをしている」というのがほとんどです。つまり
- 力む・頑張る
- 操作する(理想の状態を作ろうとする)
- 焦る
- 評価し過ぎる
これが本質的な原因です。いままでご説明してきた瞑想の注意点そのものです。
瞑想ができないと感じるときの考え方
瞑想ができないと感じるときは、「何ができていないのか」を一度やわらかく見直してみることもおすすめです。
なぜ呼吸に気づけていないのか。気づいてもすぐにそれてしまうのか。評価が強くなっているのか。眠気が強いのか。力みが強いのか。
そうしたことを「責める」のではなく、「やさしく観察する(見守る)」ように確認します。
すると、「できない」というひとまとめの感覚が少しほどけてきます。
実際には、完全に何もできていないわけではなく、どこか一部で力んでいたり、期待が強くなっていたりするだけだった、ということも多いんですね。
瞑想を続けるためのポイント
- 毎日短時間でも続ける
- 習慣化する
- 完璧を求めない
瞑想は「量」もさることながら「継続」が重要です。
最初から30分や1時間を目指す必要はありません。できるところから行ってください。5分や10分でもOKです。
できない日があっても気にしすぎないことですね。
できる日にやる。また戻ればよい。
そのくらいの柔らかさと気楽さが長続きにつながります。
瞑想とヒーリングの関係
ヒーリングというと怪訝に思うかもしれませんが、体験上・経験上からいえば、良質なヒーリングを活用することで、瞑想が深まるなどの相乗効果が期待できます。
当方では、天啓気療院の北澤勇人さんが行っている天啓気療をおすすめしています。
天啓気療がどういうヒーリングかについては「天啓気療とは?」という記事で説明しています。また瞑想との関係については「瞑想を深める恩寵」でくわしく説明しています。
善の感覚が高まる
瞑想が深まると、「あたたかさ、やわらかさ、ほっこりした感じ、のびのびとした感じ、落ち着き、凛(りん)とした感じ、すがすがしい感じ」などが渾然一体(こんぜんいったい)となった」エネルギーを感じるようになります。
これは「善(ぜん)」の体感になりますが、天啓気療を受けると、全身がこの善の感覚に包まれます。この善の感覚が瞑想に大変役立ちます。※ただし人によって異なります。
瞑想のサポートになる
瞑想へのサポートは次のようなものです。
- 心が静まりやすくなる
思考に振り回されるのが減る - 瞑想が深まりやすくなる
心身の緊張がゆるむ - 気づきが深まる
意識がハッキリし明晰性が増す
ヒーリング効果は瞑想効果とほぼ同じ
より具体的にいいますと、たとえば、
- 体の不調がやわらぐ
- メンタルの負担が軽くなる
- とらわれや執着が減る
- 心が明るくなり、軽くなる
- 表情や雰囲気がやわらぐ
- 感覚が整い、バランスがとれてくる
- 全体的にマイルドになり、反応もやわらぐ
というもので、適切な瞑想実習を行うことで生じることと、ほぼ同じことが感じられるようになっていきます。
ただし個人差があります。また過剰な期待をすることなく、一つのサポートとしてご理解ください。
よくある質問(FAQ)
瞑想は何分くらいやればいいですか?
初心者の場合は、まずは5分〜10分程度からで十分です(可能ならば20分がおすすめ)。ですが大切なのは時間の長さよりも、無理なく続けることです。続けていれば、自然に時間が伸びていきます。
雑念が多くても瞑想はできていますか?
問題ありません。雑念が出ること自体は自然なことなんですね。大切なのは、雑念に気づいても呼吸(瞑想の対象)に戻ることです。むしろ、気づけている時点で瞑想はできています。
瞑想中に思考を止める必要はありますか?
思考を止める必要はありません。無理に止めようとすると、かえって思考は増えやすくなります。思考があっても、瞑想の対象に意識をやさしく向け続けることですね。瞑想は思考をなくすことではなく、思考に気づくことです。
瞑想は毎日やらないと意味がありませんか?
毎日できれば理想ですが、できない日があっても問題ありません。短時間でもよいので、無理なく続けることが大切です。習慣としてゆるく続けることで、徐々に変化が現れてきます。
瞑想の効果はどれくらいで感じられますか?
早い人では数日で変化を感じることもありますが、どういう瞑想効果を期待しているかで違いがあります。個人差があります。
けれども続けていく中で、少しずつ心の反応や感じ方が変わっていきます。結果を急がず、過程を大切にすることがポイントになります。
瞑想中に眠くなるのはよくないですか?
眠くなること自体は問題ありません。ただし、眠りに入ってしまう場合は姿勢を見直したり、時間帯を調整すると改善することがあります。
瞑想が深まると、眠気と覚醒の境目あたりの感じになり、意識そのものとなっていきますので、本当に寝てしまうことにならなければ大丈夫です。
うまくできているか分からないのですが大丈夫ですか?
そのように感じるのは自然なことだと思います。
瞑想には白黒はっきりした「正解」はなく、うまくやろうとしないことが大切です。やさしく気づいて戻るという基本ができていれば、それで十分です。
リラックスできないと瞑想はできませんか?
瞑想では、リラックスは大切な土台です。力んだままだと呼吸や意識も不自然になり、瞑想がしにくくなります。
ただ、最初からきちんとリラックスできる必要はありません。実践を続ける中で、少しずつ力が抜け、くつろぎと気づきがそろうようになります。
どこで瞑想をすればよいですか?
静かな場所が望ましいですが、自宅でも十分に行えます。完全に静かでなくても問題ありませんし、リラックスできる環境であれば充分です。あと毎日同じ場所で瞑想をするのが望ましくなります。
瞑想はどんな人に向いていますか?
ストレスを感じやすい方や、思考に振り回されやすい方に特に向いています。また、自分自身を見つめたい方や、落ち着いた状態を育てたい方にも適しています。高次意識や悟り、解脱といった高邁な精神性を求める方にもおすすめです。
まとめ|瞑想とは人生を整え、深めていく実践
気づきをともなった「いまここ」「あるがまま」を行い続けていると、自分の変化に気づく瞬間が訪れます。
今この瞬間を味わう喜びや、理由のない安心感。
そして、他者のしあわせや成功を素直に喜べるような変化も少しずつ現れてきます。
それは単なる気分の変化ではなく、「しあわせとは何か」を深いところから実感する体験でもあります。
こうした変化は、特別なことをした結果ではなく、ただ「ありのままに気づくこと」を積み重ねてきた結果として自然に起きてきます。
瞑想とは、あるがままに気づき、本来の自分に立ち戻る実践です。
何かを目指して頑張るものではなく、日常の中で自分に気づき、整えていくための実践です。
シンプルですが、とても深く、そして現実的なものです。
なお瞑想のやり方だけでなく、その意味や本質まで理解していくと、実践の深まり方が大きく変わってきます。
瞑想の理解をさらに深めたい方は、瞑想とは?と瞑想の種類もあわせて読むと、全体像が整理されます。
瞑想は、生活の中で生きる「生きた実践」として、ゆっくりと人生そのものに影響していきます。
まずは数分でもよいので、実際にやってみてください。
そこからすべてが始まります。

