「瞑想はどんな姿勢でやればいいのか」——これは瞑想を始める方が最初に抱きやすい疑問の一つですね。
結論からいえば、楽な姿勢なら基本的にOKです。
「正しい姿勢でなければ瞑想できない」という思い込みは手放してください。ゆるっと瞑想会では姿勢に特別な決まりを設けていません。くつろいで、心地よくできる姿勢を重視しています。
この記事では、各座り方の特徴・手の形(ムドラー)・目の状態・リラックスのコツまでわかりやすく解説します。
瞑想の姿勢|基本的な考え方
瞑想の姿勢で大切なのは「正しい形」よりも「リラックスしつつ、ゆるく意識がある状態」です。
姿勢をピシっとしたり、手の位置にこだわりすぎると力みが生じます。無自覚のうちに緊張してしまい、瞑想の妨げになるんですね。
力むことなく、背筋を軽く伸ばし、肩や顔の力をスっと抜く。この自然体がちょうどよい状態です。
ただし、背骨が大きく湾曲したままの姿勢は、1時間以上の瞑想になると身体への負担が大きくなります。完璧な姿勢でなくてよいですが、背筋をゆるく伸ばすことだけは意識しておくといいですね。
瞑想の座り方の種類8選|あぐら・椅子・正座・仰向け
座り方に正解はありませんが、ここでは代表的に座り方を7種類ご紹介します。自分の体の状態や環境に合わせて選んでください。
- あぐら(楽座・安楽座/スカ・アーサナ)
- 達人座(シッダ・アーサナ)
- 正座(金剛座・ヴァジラ・アーサナ)
- 半跏趺坐(アルダ・パドマーサナ)
- 蓮華座(結跏趺坐、パドマ・アーサナ)
- 吉祥座(結跏趺坐、スヴァスティカ・アーサナ)
- 椅子に座る(チェア・タダーサナ)
- 仰向け・横になる(シャバ・アーサナ)
①あぐら(楽座・安楽座/スカ・アーサナ)

床にあぐらをかいて座る最もオーソドックスな姿勢です。ヨーガでは「スカ・アーサナ(安楽座)」と呼ばれます。
あぐらで座る場合のポイントは次の通りです。
- 坐骨(ざこつ)でしっかりと体重を支える——両手でお尻の肉を外側にかき出すと坐骨を感じやすくなります。
- 骨盤をやや前傾させる——背筋が自然に伸びやすくなります。
- 座布団を折り畳んでお尻の下に敷く——骨盤が安定しやすくなります。
しびれやすい方は途中で足を組み替えてもOKです。股関節が硬い方や長時間座ると膝・腰が痛くなる方には、無理にあぐらを続ける必要はありません。
②達人座(シッダ・アーサナ)

ヨーガで「シッダ・アーサナ(達人座)」と呼ばれる座り方で、片方のかかとを会陰部に当て、もう片方のかかとをその上に重ねる座法です。
安楽座(あぐら)より背筋が安定しやすく、集中が深まりやすいとされています。あぐらに慣れてきた方が次に試してみるのに向いています。
③正座(金剛座・ヴァジラ・アーサナ)

ヨーガでは「ヴァジラ・アーサナ(金剛座)」と呼ばれる座法です。
正座は背筋が伸びやすく安定した姿勢ですが、長時間になると足がしびれやすいという面があります。正座台(禅板)を使うと足への負担を軽減できます。
④半跏趺坐(アルダ・パドマーサナ)

半跏趺坐(はんかふざ)はヨーガではアルダ・パドマーサナといいます。
結果趺坐のように足を完全に組むのではなく、片方の足の甲を、もう片方の太ももの上に乗せます。左右どちらの足でもOKです。ちなみに、上に乗せた足の下にある足(もう片方の足)は、お尻のほうへグっと引き寄せます。
またお尻の後ろ半分は座布団やヨガブロックを敷いて、骨盤を少し前に傾けた感じの自然な前傾姿勢にします。両膝・お尻の3点で上半身を支えます。
半跏趺坐(はんかふざ)も長時間保っていると脚が痛くなることがあります。そういう場合は、無理に半跏趺坐の姿勢を取らなくでも大丈夫です。
⑤蓮華座(結跏趺坐、パドマ・アーサナ)

パドマ・アーサナ(蓮華座・結跏趺坐)は、瞑想の姿勢として最もよく知られた座法です。
足を組んだときに、両足の裏が上を向いて重なるように座る結跏趺坐をいいます。このときの足が「蓮(ハス:パド)の花」に似ていることから蓮華座といいます。日本では結果趺坐という言い方が知られています。
しかし脚の関節に強い負荷がかかるため、無理に作ると膝・股関節を痛めることがあります。ゆるっと瞑想会ではこれらの座法を無理に取ろうとすることはおすすめしません。もし柔軟性があり自然にできる場合のみ取り入れてください。
⑥吉祥座(結跏趺坐、スヴァスティカ・アーサナ)

スヴァスティカ・アーサナ(吉祥座・結跏趺坐)も、瞑想の姿勢として知られた座法ですね。
結跏趺坐の中でも、右足を左の太ももにのせ、さらに左足を右の太ももにのせる(右足を上にする)座り方です。要するに「右足を上にして組む」座り方ですね。
吉祥とは「めでたい、幸運」という意味です。ブッダが悟りを開いたときにこの姿勢をとっていたとされています。仏教では、悪魔を退散させる理想的な座り方としています。
けれども蓮華座と同じで、脚の関節に強い負荷がかかります。無理に作ると膝・股関節を痛めます。この座法を無理に取ることはおすすめしません。もし柔軟性があり自然にできる場合のみ取り入れてください。
⑦椅子に座る(チェア・タダーサナ)

椅子座りは「本格的ではない」と思われることがありますが、そのようなことはありません。一部のヨーガではチェア・タダーサナともいっています。
椅子座りは膝・腰への負担が少なく、長時間でも安定しやすいため、初心者の方・体に不調がある方・腰が悪い方にとってむしろ向いている座り方になります。
椅子に座る場合のポイントは次の通りです。
- 背もたれに深くもたれかからず、背筋をゆるく立てる
- 足の裏を床にしっかりつけ、膝が90度くらいになる高さの椅子を選ぶ
- 背もたれは「支え」として軽く使う程度にとどめる(深くもたれると背筋がゆるみすぎてぼんやりしやすくなります)
「椅子で瞑想するのは邪道」という考えは不要です。楽に座り続けられる姿勢の方が、おすすめです。
⑧仰向け・横になる(シャバ・アーサナ)

仰向けや横になりながらの瞑想も、れっきとした実践です。ヨーガでは「シャバ・アーサナ(死体のポーズ)」という仰向けのポーズが究極のリラックスとして位置づけられています。
腰が悪い方・心身の疲れが強い方・寝る前の瞑想として取り入れる場合に特に有効です。ただし眠気が出やすいため、深めた瞑想として行う場合は座り姿勢の方が向いています。
寝ながら・横になって行う5つの瞑想|仰向けでできるやり方・効果・おすすめの実践を解説
ヨーガが推奨する座り方4つの基本ポイント

どの座り方であっても、ヨーガで伝える次の基本ポイントを意識すると、より安定して座ることができます。
- 坐骨で座る
お尻の下にある坐骨でしっかりと体重を支えます。両手でお尻の肉を外側にかき出すと坐骨を感じやすくなります。 - 背骨を伸ばす
頭頂部で天井を引っ張り上げられるようなイメージで背筋を真っ直ぐに保ちます。力まず、ゆるやかに伸ばすイメージです。 - 肩をリラックスさせる
肩をすくめず、ストンと下に落として胸を自然に開きます。 - 顎を引く
顎をわずかに引くことで首の後ろがゆるやかに伸び、頭部の重さが背骨に均等にのりやすくなります。
これらは「こうでなければならない」というルールではありません。意識しすぎると力みが生まれます。「なんとなくこんな感じで」というゆるいガイドとして活用してください。
瞑想の楽な姿勢とは何か
ちなみに、「楽な姿勢」といっても、だらりとした姿勢のことではないんですね。
力が抜けていながら、意識がゆるくある、そんなバランス感覚のある姿勢が「楽な姿勢」です。
だらっとしすぎると、意識もダラっとしていまいがちです。ぼんやりしてしまいます。反対にピシっとしすぎると力みが生じて、緊張過ぎる姿勢になりがちです。
背筋をゆるく伸ばし、肩・首・顔の力をすっと抜いた状態が、瞑想に適した楽な姿勢の目安です。
とはいっても最初は少しぎこちなく感じても、自分なりの楽な姿勢をしてみてください。続けていくうちに自然と落ち着いてくるようになります。
瞑想中の手の形・ムドラー3選

瞑想中の手の形(ムドラー/ムドラ)については、特別に決まりはありません。
よく使われる手の形
- 手のひらを上向きに置く(チン・ムドラー)
手のひらを上向きにして膝の上に置き、親指と人差し指で輪を作る形。ヨーガで最もよく用いられるムドラーです。心が落ち着きやすく、集中が深まるとされています。 - 手のひらを下向きに置く
膝の上に手のひらを伏せて置く形。落ち着きやすく、グラウンディング(地に足がついた感覚)を促します。 - 法界定印(ほっかいじょういん)
両手を重ねてお腹の前に置く形。禅の瞑想でよく用いられます。
これらは代表的な手の形(ムドラー)です。特に、このような形にしなくてもOKです。またどの形でも構いません。
大切なのは手や腕に余計な力が入っていないことなんですね。ムドラーにこだわりすぎると、それへのの執着が生まれます。自然に落ち着く手の置き方で大丈夫です。
ムドラーは効果があるのか
ヨーガの伝統では、ムドラーは気(プラーナ)の流れを整えるものとされています。チン・ムドラーは「意識と宇宙意識を結ぶ」象徴的な意味を持ちます。
実際に試してみて、手の形によって気持ちの落ち着き方が異なると感じる方もいます。「なんとなく落ち着く」と感じる手の形を選ぶのが、最もシンプルで実践的な選択ですね。
瞑想中の目の状態|目を閉じる・半眼・半目
- 目を閉じる
最も一般的。内側への気づきがしやすい。ただし眠気が出やすい。 - 半眼(半目)
目を半分だけ開いた状態。眠くなりにくく、外の情報も遮断しすぎない。禅や上座部仏教の伝統で一般的。 - 目を開けたまま
慣れてくると可能になる。日常生活の中で「いまここ」を実践する際にも使える。
瞑想では、目を閉じることが多くなります。もしも眠気が出る場合は半眼か、眼を開けたままにしてみてください。正解はありません。自分に合った眼の有り様で大丈夫です。
瞑想でのリラックスと脱力の大切さ
瞑想ではリラックス・くつろぎが大切です。ここから善性へと進展もしていきます。つまり幸福感、喜び、幸せ感ですね。これらのエッセンスは、リラックス・くつろぎから進んでいきます。
ヨーガでは「シャバ・アーサナ(死体のポーズ)」が究極とされていますね。脱力は瞑想において重要なんですね。脱力とは、余計な緊張を手放すこと。
緊張気味の方は、「ゆるんでいい」という感覚でいると、自然に力が抜けていくことも多くなります。
ただし眠気には注意ですね。ぼんやりしてしまい、気づきも弱くなります。「ゆるみ(弛緩)」と「明るさ(明晰性)」の両方が必要なんですね。
このバランスは実践を重ねる中で少しずつわかるようになります。焦らず、気楽な感じで実習を積み重ねていくことが大切です。
瞑想の姿勢は完璧でなくてよい|ゆるっと瞑想会の考え方
ゆるっと瞑想会では、瞑想の姿勢について「こうでなければならない」という決まりはありません。
とらわれることなく、自然にくつろげる姿勢を重視しています。そもそもお伝えしているのは「あるがまま」の瞑想なんですね。姿勢にとらわれてしまいますと、瞑想が適切に進まなくなることも多くなります。
最初は違和感があったり少し苦しく感じても、座り続けることで体幹が整い、ラクに座れるようになります。
焦らず「そういうものだ」として続けていくことがおすすめです。
椅子に座っても、あぐらでも、仰向けでも、自分にとって最も自然にくつろげる姿勢から始めてみてください。姿勢が整うことよりも、まず座ることの方がずっと大切ですね。
まとめ|瞑想の姿勢と座り方のポイント
座り方
あぐら・椅子・正座・仰向け、どれでもOK。自分の体の状態に合わせて選ぶ。蓮華座・結跏趺坐は無理に取る必要なし。
姿勢の基本
坐骨で座る・背骨をゆるく伸ばす・肩をリラックス。力まずに自然体で。
手の形(ムドラー)
特別な決まりなし。チン・ムドラー・手のひらを下向きに・法界定印、自分に合う形で。
目の状態
初心者は目を閉じるところから。眠気が気になる場合は半眼で。
リラックス
「ゆるみ」と「明晰性」のバランスが大切。力まず、焦らず続けることで少しずつわかるようになる。
姿勢を完璧に整えることよりも、くつろいだ状態で毎日続けることの方が、瞑想においては大事になります。
