「瞑想は座って行うもの」——そう思っていませんか?
実は瞑想は寝ながら・横になって行うことができます。そして仰向けでの実践には、座り瞑想にはない独自の利点があります。
この記事では、寝ながら行う瞑想のやり方・効果・おすすめの「5種類」の実践方法を、ゆるっと瞑想会で行っているやり方もふまえてをお伝えします。
腰が悪い方・座り続けることが難しい方・寝る前に瞑想を取り入れたい方にも、ぜひ読んでいただきたい内容です。
瞑想は寝ながら・横になってもいい?
結論からいえば、はい、問題ありません。
瞑想は座った姿勢が一般的なイメージです。けれども仰向け・横になった状態での実践は古くから行われています。
ヨーガでは「シャバ・アーサナ(死体のポーズ)」という仰向けのポーズがあります。これは究極のヨーガと言われています。
シャバ・アーサナは、今でもヨーガのクラスの最後には必ず行われていますよね。仰向けによる瞑想実践は少ないのですがあります。
また、タイの著名な瞑想指導者カンポン・トーンブンヌムさんは、寝たきりの状態で長年にわたって瞑想を行い続けていたことで知られています。
カンポンさんは体を動かすことが難しい状態でも、指を動かす瞑想(手動瞑想)で瞑想を深めたほどです。
瞑想に必要なのは「特定の姿勢」ではなく、「今この瞬間にやわらかく気づく」ことですね。それは仰向けでも横向きでも実現できることがわかります。
寝ながら行う瞑想の3つのメリット
寝ながら行う瞑想は、決して間違いではありませんし、邪道でもありません。ゆるっと瞑想会における実際の現場を踏まえて、寝ながら行う瞑想における代表的なメリットを3つ挙げてみます。
①全身の力が抜けやすい
仰向けの姿勢は、重力に逆らわずに、全身を床や布団に委ねることができます。体に負担をかけない楽な姿勢を取りやすいということですね。
背筋を伸ばして座る姿勢に比べて、体幹や背中への緊張は自然とゆるみやすくなり、脱力しやすいのは大きなメリットです。
座った姿勢でリラックスが得られないと感じている方や、座ると肩や背中に力が入りやすい方は、仰向けの瞑想を試みるのもよいかと思います。
②腰が悪い方・身体に不調がある方でも実践できる
ゆるっと瞑想会では、腰が悪い方・長時間座ることが難しい方に、仰向けでの瞑想を積極的にお勧めしています。
「座れないから瞑想できない」という方でも、仰向けであれば無理なく実践できます。実際に、仰向けになって瞑想を行い続けて、瞑想の要領が分かった方がいらっしゃいます。
タイのカンポンさんの事例は、カンポンさんだけが特別ではないんですね。寝ながらでも、日々、続けていけば瞑想がわかるようになります。
瞑想は健康な人だけのものではないんですね。体に不調を抱えている方で取り入れることができます。
③寝る前に行いやすく、そのまま眠れる
仰向けで行う瞑想は、寝る前の実践として最適です。一日の緊張・疲れ・感情の澱(おり)を、瞑想を通して少しほぐしてから自然な眠りに入ることができます。
瞑想を終えた後に、そのまま眠ってしまっても問題ありません。心身が深くリラックスした結果として眠りに入ることは、むしろ望ましいことも多くなります。
寝ながら行う瞑想の5つのやり方
ゆるっと瞑想会でおすすめしている「仰向けで行う瞑想」には5つあります。それをご紹介します。
①ボディスキャン瞑想(ゴエンカ式)
ボディスキャン瞑想は、仰向けで行う瞑想の中で最もおすすめの実践です。
ゴエンカ氏(S.N. Goenka)が世界に広めたヴィパッサナー瞑想のボディスキャンは、身体の各部位に順番に意識を向け、感覚をありのままに観察していく実践です。
ボディスキャン瞑想とは?やり方・効果・なぜ心が解放されるのか気功の原理から解説
ボディスキャン瞑想のやり方
- 仰向けになり、全身の力を抜く
布団やヨガマットの上に仰向けになります。手足は自然に開き、力を抜きます。目は閉じます。 - 頭頂から足先へ、意識をゆっくり巡らせる
頭頂→顔→首→肩→腕→手→胸→お腹→背中→腰→脚→足先と、順番に各部位にやわらかく意識を向けます。各部位の感覚(温かさ・重さ・緊張・何も感じないなど)にただ気づきます。 - 足先から頭頂へ戻る
足先まで到達したら、今度は足先→脚→腰→背中→お腹→胸→腕→肩→首→顔→頭頂と、逆方向に戻っていきます。 - この往復を繰り返す
この頭頂から足先、足先から頭頂への往復を繰り返します。
ポイントは「感覚を変えようとしない」ことなんですね。緊張している部位があっても、ほぐそうとせずにただ「緊張しているな」と気づくだけです。観察しているうちに、自然にゆるんでいきます。
ボディスキャンは腰の悪い方・体に不調がある方にも特におすすめです。仰向けで全身の力を抜いた状態で行えます。
体への負担が少ないですので、寝落ちさえしなければ、長時間、瞑想することができます。
②呼吸瞑想
仰向けで行う呼吸瞑想は、シンプルで取り組みやすい実践です。仰向けに横になると、胸やお腹の動きが感じやすくなる人もいます。
呼吸瞑想のやり方
やり方はシンプルです。呼吸瞑想は、自然に呼吸を行い、その自然な呼吸の様子にやわらかく気づくだけで十分です。
「息を吸うとお腹がふくらむ、吐くと縮む」という動きを意識する際、お腹に手のひらを置いて感じるようにすると、わかりやすくなります。
呼吸瞑想では、呼吸を操作してはいけません。呼吸に強く意識し過ぎてもいけません。ゆるっと、やさしく、やわらかく行い続けることがコツです。
仰向けでの呼吸瞑想は、リラックスが深まるにつれて呼吸が自然と腹式になります。自然な呼吸ですね。
ですので「腹式呼吸をしよう」と作り込む必要はないんですね。自然な呼吸をただ観察すること。そうしていますと、呼吸は自ずと深く穏やかになっていきます。
ただし、仰向けでの呼吸瞑想は眠気が出やすい点があります。眠くなってきたら半眼(目を少し開いた状態)にするか、そのまま眠りに入ってもOKです。
③手動瞑想(手・指を動かす瞑想)
手動瞑想(しゅどうめいそう)は、タイの瞑想指導者ルアンポーティアン師が考案した瞑想です。手をゆっくりと動かしながら、その手が止まったポジションや動きに気づく瞑想です。
手動瞑想も寝ながらできます。冒頭でご紹介したタイの瞑想家カンポン・トーンブンヌムさんは、寝ながら手動瞑想や指動瞑想(しどうめいそう)を行い続けていました。
この逸話が示すように、手動瞑想は体の自由が制限されている方でも実践できるという大きな特徴があります。
手動瞑想のやり方
手動瞑想は、文章で動きを説明すると煩雑になりますので、動画を見てやり方を学んだほうがわかりやいと思います。
動画のやり方は、座ったスタイルでの手動瞑想です。ですが仰向けでもできます。
仰向けの状態で、手をお腹や胸の上に置きます。そうして、動画の説明通りに、順番に手を動かしていきます。
初めての方は「手が止まったポジション」を自覚するようにします。このとき意識を強く凝らすことなく、やわらかく見守るように手の位置を自覚していきます。
指動瞑想のやり方
指動瞑想はシンプルです。仰向けの状態で、手をお腹や胸の上に置きます。親指と人差し指を付けます。
親指と人差し指が触れている感じを、ただ感じます。あるいは、指を動かして(回して)、指先の感覚にやわらかく気づきます。「動いている」「感覚がある」「温かい」「ザラザラしている」などの感覚にただ気づいていきます。
手動瞑想では、ゆったり、おおらか、ハートフルに行っていくことがコツになります。
腰が悪い方・体に重い不調がある方・ベッドで長期間過ごしている方にも取り組みやすい実践です。
④半円を描く瞑想(オリジネル式)
半円を描く瞑想は、ゆるっと瞑想会オリジネルの瞑想です。私と瞑想会の仲間が考案しました。
半円を描く瞑想のやり方

やり方はシンプルです。
- 仰向けになって寝て、両腕を体の横に置く
- 右腕で半円を描く
まず右腕を上げて半円を描きます。この時、半円を描く腕の動き・様子を感じます。見守ります。気づきます。 - 右腕を頭上に伸ばす
半円を描きながら右腕を頭上に伸ばします。 - 右腕を元に戻す
頭上に上げた右腕で再び半円を描きながら元に戻します。このとき同じように腕の動きを感じます。見守ります。気づきます。 - 左腕でも同じことを行う。
- これを左右の腕で交互に行う
半円を描く瞑想は、片方の腕を上げて「半円を描く」動きをとります。腕の動き(ストローク)そのものを感じます。気づきます。見守ります。
腕の動きをずっと気づき・見守り続けます。
腕の動きに集中するのではなく、やわらかく、やさしく気づくようにします。なめらかな気づきが持続できることがわかるかと思います。
腕を上げる際、呼吸に合わせて行ってもOKです。
手動瞑想が苦手な方であっても、半円を描く瞑想ならできるという方も少なくありません。
⑤シャバアーサナ(あるがまま)
シャバ・アーサナ(Shavasana)は、ヨーガで「死体のポーズ」「屍(しかばね)のポーズ」と呼ばれる仰向けの姿勢です。本質は「完全な脱力・あるがままにある状態」です。
ヨーガでシャバ・アーサナは究極のポーズとされています。「何もしない」という有り様は「坐禅」と同じです。「何もしない」という有り様は究極の真理のい導きますので、それでシャバ・アーサナは究極のポーズと言われているのだと思います。
シャバ・アーサナは、力を抜く、手放す、委ねるといった「あるがまま」の有り様が核心になります。
シャバ・アーサナのやり方
仰向けになり、足は肩幅程度に自然に開きます。手のひらは上向きにし、腕は体から少し離して置きます。目を閉じ、全身の力をゆっくりと抜いていきます。
といいますか、何も考えないで、「そのまま」にいます。「リラックスしよう」と意識したり頑張る必要はありません。
ただ「そのまんま」という感覚で仰向けになるだけで十分です。
シャバ・アーサナは「あるがまま瞑想」と本質的に同じになります。仰向けになって力を抜き、あるがままとする。今この瞬間に起きていることに、やわらかく自然に気づいている。
この状態がシャバ・アーサナですね。あるがまま瞑想の仰向けバージョンといえます。
瞑想ではリラックスとあるがままの気づきが大切|うまくいかない理由も解説
寝ながら行う瞑想の注意点
寝ながら行う瞑想、仰向けになって行う瞑想における注意点があります。
眠ってしまうことについて
仰向けでの瞑想で起きがちなことは眠気・寝落ちです。
けれども、寝る前の瞑想として行う場合は、そのまま眠りに入っても大丈夫です。心身が深くリラックスした結果として眠るのは自然なことですからね。
ただし、瞑想としてきちんと行いたい場合は眠ってしまうのは避けたいところですね。眠気が強い場合は次の工夫を試してみるのも良いかと思います。
- 目は開ける(半眼にもしない)
- 背中に薄いクッションなどを当てて、完全に水平にしない
- 時間帯を朝に変える
- 座る姿勢に切り替える
なお、ゆるっと瞑想会の「あるがまま系」の瞑想は過緊張を招かないため、夜寝る前に行っても意識が活性化しすぎる心配はありません。安心して瞑想をしてください。
座る瞑想との違いを理解する
なお「仰向けの瞑想」は「座る瞑想」の代替にもなりますが、選択肢の一つになります。座って行う瞑想ができるときは、座った瞑想を行っていただきます。
仰向けの瞑想は、腰が痛い、座る瞑想が苦手などの事情がある場合におすすめしています。体の状態や目的に合わせて、座る瞑想と仰向け瞑想を使い分けることをおすすめします。
夜の瞑想は危険?|ゆるっと瞑想会の考え
「夜の瞑想は危険」という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。
これは夜間に強い集中瞑想や観察瞑想を深めすぎると、意識が過度に活性化したり、エネルギー的な変動が起きやすいという意味合いで語られることがあります。
しかしゆるっと瞑想会でお伝えしている「あるがまま系」の瞑想は、過緊張を招かず、むしろリラックスを促進します。夜寝る前に行っても、意識が活性化しすぎて眠れなくなるということは基本的にありません。
「夜の瞑想が危険」という場合の典型は、強い集中力を要する観想瞑想や、エネルギーを大きく動かすタイプの実践です。あるがままに気づくシンプルな実践であれば、夜でも安心して行えます。
腰が悪い方・体に不調がある方へ
ゆるっと瞑想会では、腰が悪い方・長時間座ることが難しい方に、仰向け瞑想を積極的にお勧めしています。
「座れないから瞑想ができない」という方は、ぜひ仰向けから始めてください。
特におすすめの順番としては次の通りです。
②呼吸瞑想
③半円を描く瞑想
④手動瞑想(手・指を動かすことができる方)
⑤シャバアーサナ(あるがまま)
ボディスキャンは全身の力を抜いた状態で行えるため、腰への負担がありません。各部位に意識を向けていくことで、痛みや不調のある部位への気づきも深まっていきます。
半円を描く瞑想は万人向けです。
なお、体に強い痛みや医師から安静を指示されている方は、瞑想を始める前に医師にご相談ください。
まとめ|瞑想は寝ながらでもできる
瞑想は「正しい姿勢で座らなければいけない」といったものとは言えないんですね。仰向け・横向き・ベッドの上など、どういう姿勢でもできます。
今この瞬間にやわらかく気づいていることができれば瞑想になります。
- 仰向けは全身の力が抜けやすく、リラックスしやすい
- 腰が悪い方・体に不調がある方に最適
- 寝る前に行い、そのまま眠ってしまってもOK
- ボディスキャン・呼吸瞑想・手動瞑想・半円を描く瞑想・シャバアーサナの5つがおすすめ
- ゆるっと瞑想会の「あるがまま系」の瞑想は夜でも安心して実践できる
「座って瞑想するのが難しい」という方にとって、仰向け瞑想は瞑想を始める最良の入り口になります。ぜひ今日からでも布団の上で始めてみてください。
初めての方でもできる効果の高い「4つの実践」としてまとめた「あるがまま」瞑想と気功をお教えしています。参加などに関しては、HPをお読みになった上、お問い合わせください。
