瞑想にはさまざまな種類がありますが、違いがわかりにくいと感じる方も多いかもしれません。
そこでまずは、それぞれの違いを、「一般的な説明」により区分して、一覧で整理してみました。
瞑想そのものの意味や本質から理解したい方は、瞑想とは?もあわせてご覧ください。
まずは実際にやってみたい方は、瞑想のやり方から入るのもおすすめです。
瞑想の種類
瞑想にはさまざまな方法がありますが、それぞれはまったく別のものというよりも、意識の向け方やアプローチの違いによって分類されています。
大きく分けると、一般的に次のような種類に整理することができます。
瞑想の種類の違い(一覧)
| 分類 | 特徴 | 意識の有り様 |
|---|---|---|
| 観察瞑想 | 起きていることを観る | あるがまま |
| 身体感覚 | 身体の感覚・位置に意識を向ける | あるがまま |
| エネルギー系 | 内的感覚・気を扱う | あるがまま |
| 集中瞑想 | 一つの対象に意識を凝らす | 集中 |
| 感情・イメージ | 感情やイメージを通して意識を整える | イメージ |
これらは一般的な区分と簡単な説明です。
なお、ここでは代表的な分類を5つに整理していますが、実際の瞑想には伝統的な体系や日常の中で行う実践など、さらに広がりがあります。
瞑想の種類全体になると、ざっと以下の7種類に分けることができます。
- 観察する瞑想(ヴィパッサナー系)
- 身体感覚・ポジションの瞑想
- エネルギー・内的感覚の瞑想
- 集中する瞑想(サマタ系)
- 感情・イメージの瞑想
- 禅・坐禅
- 日常の中の瞑想
それぞれ目的や方法は異なります。おすすめしている瞑想は最終的には「今ここで起きていることに気づく」やり方になります。
なぜ瞑想はこのように分類されるのか
瞑想は一見すると種類が多く、まったく違うもののように感じられるかもしれません。
しかし実際には、違いは「どこに意識を向けるか」と「どのように関わるか」になります。
- 起きていることを観る → 観察型の瞑想【あるがまま】
- 身体感覚・ポジションに向かう → 身体感覚・位置の瞑想【あるがまま】
- 呼吸に集中する → 集中型の瞑想【集中】
- 感情を扱う → 感情型の瞑想【イメージ】
つまり、違いは本質ではなく「意識の有り様」の違いです。
観察瞑想・身体感覚・エネルギー系では「あるがまま」が重視され、集中瞑想では「集中」、感情・イメージの瞑想では「イメージ」というように、瞑想ごとに意識の向け方と関わり方が異なります。
そのため、瞑想は一括りに同じものとして見るのではなく、どのような意識の有り様で行うのかによって理解することが大切です。
どの瞑想を選べばいいのか
瞑想を始める際に「どれをやればいいのか」と迷う方も多いですが、まずはシンプルに考えて問題ありません。
- 「あるがまま」を重視したい → 観察瞑想・身体感覚の瞑想
- 感覚から入りたい → 身体感覚・ポジションの瞑想
- 集中力を高めたい → 集中瞑想
- 心の状態を整えたい → 感情・イメージの瞑想
- 内的感覚を深めたい → エネルギー系の瞑想
ここで重要なのは、「どれが正しいか」ではなく、どのような意識の有り様で行う瞑想なのかです。
瞑想は種類によって、意識の向け方や関わり方がまったく異なります。
そのため、自分の状態や目的に応じて入り口を選びながら、実際に体験して理解していくことが大切です。
以下では、それぞれの瞑想について特徴・やり方・効果・注意点を詳しく解説していきます。
具体的な進め方については、瞑想のやり方で詳しく解説しています。
① 観察する瞑想(ヴィパッサナー系)
まずは、起きていることをそのまま観る「観察型の瞑想」です。
思考や感覚との関係を理解していく実践になります。
観察瞑想の本質をさらに深く理解したい方は、観察瞑想(気づきの瞑想)も参考になります。
観察瞑想(ヴィパッサナー)
特徴
- 呼吸・感覚・思考などを観察する伝統的な瞑想
- 気づきながらも「あるがまま」「いまここ」に在る
- 「気づき」と「くつろぎ」の2要素からなる
- 呼吸瞑想、ボディスキャン、手動瞑想、歩行瞑想などもっとも多い瞑想
- オープンモニタリング瞑想、マインドフルネス瞑想のルーツ
- 上級者になると本当の「観察瞑想」もある
やり方
- 呼吸や身体感覚を観る
- 起きるものをそのまま観察する(あるがまま、いまここ)
- 気づいたなら判断せずに「あるがまま」「いまここ」
効果
- 代表的な瞑想
- 気づき(洞察力)の力の向上
- 執着の軽減
- 効果はさまざまで多い
注意点
- 分析や解釈をしすぎない
- 「正しく観よう」と力まない
- 身体から離れたところから観ない(意識を二分する解離に陥るおそれがある)
ラベリング瞑想(マハシ式)
特徴
- テーラワーダ仏教協会(スマナサーラ長老)によって紹介されている瞑想法
- マハシ・サヤドーの流れを汲む「マハシ式」とも呼ばれる
- 起きている現象に短い言葉(ラベル)を付けて観ることで、気づきを明確にする
やり方
- 呼吸や身体感覚などに意識を向ける
- 思考や感情、感覚が起きたら「考え」「不安」「痛み」などと心の中でラベルを付ける
- ラベルを付けたら追わずに、そのままにする
- 再び今起きている対象に戻る
- 歩く食べるなどの動作ではスローモーションで行う
効果
- 思考や感情に巻き込まれていることに気づきやすくなる
- 対象を客観的に観る感覚が育ちやすい
- 気づきの継続が安定しやすくなる
注意点
- ラベルを付けること自体が目的にならないようにする
- 言葉にとらわれすぎて思考的にならないようにする
オープンモニタリング瞑想
特徴
- 対象を限定せず、すべてを受け入れる
- 意識をオープンに保って、心や体に起きる現象を見守る
- 「あるがまま」瞑想の現代的な表現
やり方
- 対象を決めない
- 起こるものすべてに気づく
- 観察瞑想と本質は同じ
効果
- 柔軟な注意力
- 「あるがまま」の理解が深まる
注意点
- ぼんやりしやすい
- 意識が散漫になりやすい
思考観察瞑想
特徴
- あるがままに観察する瞑想のうち「思考」に特化したやり方
- 思考そのものを観察対象にする
- 思考との距離を取る練習
やり方
- 思考が出てきたら気づく
- 追わずに見送る
効果
- 思考への巻き込まれが減る
- 客観性が高まる
注意点
- 思考を止めようとしない
- 評価しない
マインドフルネス瞑想
特徴
- 今この瞬間への気づきを重視する
- 評価せずにありのままを受け入れる
- 本質は観察瞑想と同じ
やり方
- 呼吸・感覚・思考などに気づく
- 評価せずに観る
効果
- ストレス軽減
- 感情の安定
注意点
- リラックス目的だけに偏らない
- 「気づき」を忘れない
② 身体感覚・部位の瞑想
次に、身体の感覚や部位(ポジション)に意識を向けていくタイプの瞑想です。
思考から離れやすく、落ち着きを取り戻しやすい特徴があります。
あるがままにに在る感覚を深めたい方は、プレゼンスの記事もおすすめです。
ボディスキャン瞑想
特徴
- 身体の各部位に順番に意識を向ける瞑想
- 思考よりも感覚に意識を戻しやすい
- ゴエンカ式が有名
やり方
- 横になるか座る
- 頭のてっぺんから足のつま先まで順番に意識を向ける
- 感覚をそのまま感じる
効果
- リラックス効果
- 身体感覚の気づき向上
- 過去の記憶やとらわれの解放
- 心を整える作用が著しい
注意点
- 感じようと力まない(観ようと力まない)
- 感覚がなくても問題ない
- 眼を動かさないで意識の眼で追うこと
手動瞑想
特徴
- タイで伝えられている、手の動きを使った瞑想法
- 手の位置(ポジション)を一つ一つ自覚する瞑想
- 目を開けたまま行うことが多く、「今ここ」に気づきやすい
- 手を一定の順序で動かし、その動きそのものに気づいていく
やり方
- 椅子などに座り、両手を膝の上に置く
- 左右の手を決まった順番でゆっくり動かす
- 動作ごとに止まりながら、手の位置や動きに気づく
- 考えが出ても否定せず、再び手の動きに戻る
効果
- 「今ここ」に意識を戻しやすい
- 思考や感情に巻き込まれにくくなる
- 気づきの状態を保つ練習として安定しやすい
- ハートフルになりやすい
注意点
- 手順を正確にこなすこと自体が目的ではない
- 動きを速くしすぎず、雑に流さない
- 目を開けて行う
歩行瞑想
特徴
- 歩く動作そのものに意識を向ける瞑想
- 日常に取り入れやすい
- 足の裏の感覚、足の運び、ゆっくり行う、スローで行うなどやり方が多彩
やり方
- 歩くスピードはいくつかある(スローモーション、ゆっくり歩く、普通のスピードで歩く)
- 足の裏の感覚や動き(足の過去微)に意識を向ける
効果
- 日常での気づきが高まる
- 落ち着きが生まれる
注意点
- 速く歩かない
- 目的地に意識を向けない
③ エネルギー・内的感覚の瞑想
身体の内側の感覚や流れに意識を向ける瞑想です。
より繊細な感覚や深い集中に入っていく入り口になります。
チャクラ瞑想
特徴
- 身体のエネルギーポイントに意識を向ける
- 内的感覚を扱う瞑想
- リスクのある瞑想のため安易に行わない
やり方
- 特定の部位に意識を向ける
- 感覚や流れを感じる
効果
- 内面の気づき向上
- 感覚の繊細化
注意点
- 感じようと無理をしない
- 過度な解釈をしない
- 偏差やクンダリーニ症候群に陥るリスクがある
- しかるべき指導者の元で行う必要がある
気功瞑想
特徴
- 呼吸と身体感覚を通して「気」を感じる
- 動きと静けさを組み合わせることもある
やり方
- 体の動きに合わせて意識を向ける
- 身体の感覚や流れを観る
- 瞑想的な気功(静功)もある
効果
- 身体感覚の向上
- リラックスと集中の両立
注意点
- 過度に神秘化しない
- 感覚に執着しない
- 独習は避ける
④ 集中する瞑想(サマタ系)
まずは、意識を一つの対象に向ける「集中型の瞑想」です。トランス瞑想ともいわれ「変性意識」に至り、ワンネス感(一体感)が強く出てくるのが特徴です。
シンプルで取り組みやすいのですが、本来は上級者向けのところもあります。無理をすると事故が起きますので、指導者の元で行うことが望ましくなります。
できない人には難しく、生来の体質・気質によるところが大きいため、人を選ぶ瞑想です。
呼吸瞑想(集中型)
特徴
- 呼吸に意識を向け続ける最も基本的な瞑想
- シンプルで初心者でも取り組みやすい
- 観察瞑想にもなり得る万能型の瞑想
- 集中のとらえ方が精妙なため上級者向け
やり方
- 背筋を伸ばして座る
- 呼吸(吸う・吐く)に意識を向ける
- 雑念が出たら気づいて呼吸に戻る
効果
- 集中力の向上
- 心の安定・リラックス
- 注意力の強化
注意点
- 雑念を消そうとしない
- 呼吸をコントロールしすぎない
- 集中のとらえ方を誤るとリスクがある
一点集中瞑想
特徴
- 一つの対象(音・光・物)に集中する
- 意識のブレを減らすトレーニング
- 変性意識にいたる
- 長時間行うと危険な場合がある
やり方
- ロウソクに集中(トラタカ)
- 音(自然音、倍音など)に集中
- そこに意識を固定する
- 逸れたら戻す
効果
- 強い集中力の形成
- 思考の静まりやすさ
注意点
- 力みすぎると逆に疲れる
- 「集中できない」と評価しない
- 長時間行わない(20分が最大とも言われている)
- リスクもあるので指導者の元で行うのが望ましい
マントラ瞑想
特徴
- 言葉や音を繰り返すことで意識を安定させる
- 思考の流れを弱めやすい
- トランス瞑想としては定番
やり方
- マントラ(言葉)を心の中で繰り返す
- 音のリズムに意識を合わせる
効果
- 思考の静まり
- 安心感・安定感の向上
注意点
- 意味にとらわれすぎない
- 機械的になりすぎない
⑤ 感情・イメージの瞑想
感情やイメージを通して心の状態を整えていく瞑想です。
人間関係や内面的な安定に影響しやすい特徴があります。
感情をそのまま見守るという点では、あるがまま瞑想もあわせて読むと理解が深まります。
慈悲の瞑想
特徴
- 思いやりや優しさを育てる瞑想
- 意識を外へ広げる(オープンな心を養う)
- ハート瞑想ともいう
- 本来の祈り
やり方
- 「幸せでありますように」などの言葉を心で繰り返す
- 大切な人やお世話になった人を思い浮かべて感謝の気持ちを伝える
- 綺麗なイメージを使う
- 自分→他者へと広げる
効果
- 対人関係の改善
- 心の柔軟性向上
- 慈悲を育む
注意点
- 無理に感情を作らない
- 形式だけにならないようにする
感謝の瞑想
特徴
- すでにあるものに対して「ありがたさ」に気づく瞑想
- 内側の満足感が育つ
やり方
- 感謝できることを思い浮かべる
- その感覚をリアルに味わう
効果
- 不満や不足感の軽減
- 心の安定
注意点
- 形式的・表面的にならないようにする(心を込めて行う)
- 無理にポジティブになろうとしない
イメージ瞑想
特徴
- イメージを使って意識を整える瞑想
- ヒーリング的要素が強い
やり方
- 光・自然などをイメージする
- 美しいイメージを描く
- その感覚に浸る
効果
- 安心感・リラックス
- イメージ力向上
注意点
- 想像に入り込みすぎない
- 現実逃避にならないようにする
- 意識が二分(解離)しないように注意
⑥ 坐禅・禅
長い歴史の中で体系化されてきた瞑想法です。厳密にいえば瞑想ではありません。禅は禅で、対象をまったく設けない修行です。
ブッダが発見した本当の観察瞑想が禅として伝わっています。
坐禅・禅の瞑想
特徴
- 今の様子のままにいる
- ただ坐る
- 言葉を超えた修行
やり方
- ない(ただ坐る)
効果
- 悟り
- 人によって心が整う(しかし副次的な効果)
注意点
- 必ず悟った老師の元で指導を受けて修行をする
- 独学は不可能
⑦ 日常の中の瞑想
特別な時間を取らず、日常生活の中で行う瞑想です。
実践を生活全体に広げていくことができます。
ながら瞑想(日常の中での瞑想)
特徴
- 特別な時間を設けず、日常の動作の中で行う瞑想
- 歩く・食べる・話すなどの行為そのものに気づいていく
- 座る瞑想の延長として行われる実践
やり方
- 歩く・食べる・作業するなど、今している行為に意識を向ける
- 身体の動きや感覚に気づきながら行う
- 思考が出てきてもそのままにして、再び動作に戻る
効果
- 気づきを日常の中で保ちやすくなる
- 無意識の行動パターンに気づきやすくなる
- 生活全体の質が変わっていく
注意点
- 「ながら」で雑にやるのではなく、丁寧に気づくことが重要
- マルチタスクになりすぎると気づきが弱くなる
- 形式的にやるだけにならないようにする
瞑想の本質|意識の有り様の違いとして理解する
ここまでさまざまな瞑想を見てきましたが、それぞれの方法は一見すると大きく異なります。
しかし、その違いは本質的には「意識の向け方」と「関わり方」にあります。
瞑想の違いは「意識の有り様」にある
たとえば、
- 観察瞑想 → 起きていることをあるがままに観る
- 身体感覚の瞑想 → 身体にあるがままに気づく
- 集中瞑想 → 一点に集中する
- 感情・イメージの瞑想 → イメージや感情に働きかける
このように、瞑想ごとに意識の使い方そのものが異なります。
同じ「瞑想」でもやっていることは違う
一般的には「瞑想」と一括りにされがちですが、
- あるがままに観る瞑想
- 集中して一点に向かう瞑想
- 感情やイメージを使う瞑想
は、それぞれ性質も体験も異なります。
そのため、すべてを同じものとして理解するのではなく、どのような意識の状態を扱う瞑想なのかとして整理することが重要です。
重要なのは「自分に合った入口」
瞑想は一つの正解があるものではありません。
自分の状態や目的によって、適した方法は変わります。
そのため、まずは一つの方法に絞るのではなく、いくつかの瞑想を実際に体験しながら、理解を深めていくことが大切です。
瞑想はすべて同じではなく、あるがまま・集中・イメージといった意識の有り様の違いによって、種類と性質が分かれてきます。
そのため、瞑想を理解するうえでは、方法だけでなく、どのような意識の向け方で行うのかを見ることが大切です。
瞑想の意味や本質を土台から理解したい方は、瞑想とは?をご覧ください。
実際に自分で始めてみたい方は、瞑想のやり方もあわせて読むのがおすすめです。
