アンドリュー・ジャクソン・デイヴィスとは|近代スピリチュアリズムの先駆者・透視者・ハーモニアル哲学をわかりやすく解説

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アンドリュー・ジャクソン・デイヴィスとは何者か

アンドリュー・ジャクソン・デイヴィス(Andrew Jackson Davis, 1826〜1910)は、19世紀アメリカで活躍した透視者・思想家であり、「ポキプシーの予言者(Poughkeepsie Seer)」として知られた人物です。

近代スピリチュアリズムの先駆者として位置づけられ、メスメリズム(動物磁気・催眠の前身)と初期スピリチュアリズムをつなぐ重要な思想家です。

教育を受けていないデイヴィス

アンドリュー・ジャクソン・デイヴィスは、1826年8月11日、ニューヨーク州ブルーミング・グローブに生誕。靴職人の父を持ち、ほとんど正規教育を受けないまま育ちます。

自叙伝によれば正味二、三週間にも満たないほどの学校教育しか受けておらず、17歳までに読んだ本は2〜3冊に過ぎなかったといいます。

デイヴィスは幼少の頃から、不思議な言葉が聞こえたり、異様なものが見えたりしたといいます。元々、霊的資質・素養があったことがわかります。

メスメリズムで透視能力が生じる

そのデイヴィスが1843年(17歳)、ポキプシーで動物磁気(メスメリズム)の講演会に出席。実際に催眠術を施してもらったところ、他の参加者と全く異なる驚くべき反応を示します。

なんと両眼に包帯をした状態で新聞が読め、周囲の人の内なる悩みをピタリと言い当てることができたのです。

動物磁気(メスメリズム)は、他者の体に磁気(気・エネルギー)を流して、トランス状態(眠り)へ導く手法です。

しかしデイビスはその後、第三者の助けがなくても、自ら「磁気催眠」に入り、気・エネルギーに包まれてトランス状態に入ることができるようになります。

17才から始まるトランス体験が、デイヴィスを覚醒者として歩ませ、スピリチュアリズムの先駆者となる生涯を決定付けます。

調和哲学を提唱

彼は「調和哲学(ハーモニアル哲学:Harmonial Philosophy)」と呼ぶ哲学体系を発展させます。

自然法則、霊界の階層、万物の進歩という概念を一つの体系に統合した霊視と神秘体験に基づく哲学です。

2人の指導霊

また18歳の時、全能者から二人の指導霊を授けられたと宣言しています。

ギリシャの医師ガレノスと、スウェーデンの哲学者・神秘家エマヌエル・スウェーデンボルグです。

54才でスピリチュアリズムと決別

注目すべきは晩年の1880年(54才)にデイヴィス自身は、スピリチュアルに見切りを付けます。

その理由は、いわゆるスピリチュアリストたちが物理的な心霊現象ばかりに関心を示して哲学的・宗教的意義をおろそかにしていることを遺憾に思ったからだといいます。

デイビスのこの気持ちは、メチャクチャよくわかります。現代でも眉をひそめるようなおかしなスピリチュアルが多いですからね。19世紀後半も、今と変わらないことが浮かび上がってきます。

その後、自分の思想を「調和哲学(The Harmonial Philosophy)」として独自に命名し、当時のスピリチュアリズムと一線を画するようになります。

晩年は書店経営と薬草療法

デイビスは晩年に医学の学位を取得。ボストンで書店を開く一方で、病気の人達のために薬草療法を行いながら、1910年1月13日に83歳で生涯を閉じました。

1911年版の『ブリタニカ百科事典』でもアメリカ・スピリチュアリズムの主要人物として取り上げられています。

デイヴィスの著作はその後のスピリチュアリズム運動の基礎となりました。

主な年表

出来事
1826 ニューヨーク州ブルーミング・グローブに誕生
1843(17才) ポキプシーで動物磁気の講演会に出席、透視能力が開花
1845(19才) ライオン医師と出会い、磁気催眠の実践に入る
1847(21才) 主著『自然の原理』刊行
1850〜61(24才~) 『大調和』(全6巻)刊行
1857(31才) 自伝『魔法の杖』刊行
1865〜71(39才) 『死と死後の世界』初版・改訂版刊行
1867〜68(41才) 『アラブラ』『サマーランドへの星の鍵』刊行
1878(52才) 『天上の家の眺め』刊行
1880(54才) 自身の思想を「調和哲学」と命名、スピリチュアリズムと区別
1910(83才) 83歳で死去

デイヴィスの超越状態|真我による霊能力

アンドリュー・ジャクソン・デイヴィスは、メスメリズム(磁気催眠)によってトランス状態になり、その状態から霊視、ヒーリング、アカシックレコードへの接続、読心(テレパシー)などの数多くの霊能力や超能力を発揮しています。

しかしデイヴィスは、この「超越状態」を特殊・超自然なものではなく、「人類が進化しきった時に到達するごく自然な状態」と言っていました。

だから、デイヴィスは、他人から特別視されることを嫌っていたようです。

最初の体験——催眠から透視へ

17才のときに生じた透視能力がどういうものだったのかは、自叙伝『魔法の杖』(The Magic Staff)にあります。要約すると次の通りです。

私の目には、地球全体が天界の楽園に映った。また人々が光に包まれて見えるようになり、肝臓、脾臓、心臓、肺、脳といった内臓も光として透視できるようになった。生命力の根源まで見えるようになった。人体はまるで透明なガラスのようだ。

 

さらに人体だけでなく、椅子とかテーブルの原子も見えはじめた。植物の成分や繊維も透視できた。原子の一つ一つが光を発していた。植物の組織には生き生きとした生命が流れている

 

森や丘や野原の木々も生命と活力に満ちている。各々の進化の応じた色と輝きを出している

 

私には地球上のあらゆる植物の生育場所、成分、性質、用途までが判るようになった。大自然にある不変かつ霊的な根本原理がわかるようになった

原子レベルの透視が可能になったといいます。ちなみに原子(素粒子)レベルの観察がでいる瞑想が、現代でもミャンマーに伝わっています。

超越状態は真我の状態

メスメリズム(磁気催眠)がきっかけで17才で開眼したデイヴィスの透視能力は、時間とともに大きく発展します。

しかも、初期には催眠術師の助けを借りていました。しかし後に超越状態(Superior Condition)」と呼ぶ状態に自力で入れるようになります。

デイヴィスは「超越状態」について、主著『大調和』の中でこう説明しています。

「超越状態」とは、あらゆる霊能を開発し、あらゆる動物的本能から解放された真の自我(真我:本当の自分、神の趨勢に目覚めた自己)」になると、霊界霊的存在宇宙の根源法則(ダンマ)に対して、直接的に接触できる状態をいう。

 

超越状態に入るためには、人体の磁力(気・エネルギー)を利用して誘導してもらう場合もある。また自力で入る場合もある。いずれにしてもこれらは体験(修練)を積まないと培われない。

 

自我(真我)というのは、肉体に宿っていても肉体から離れていても、地上にいても霊界にいても、体験を通じて学び、発達していくものなのである。

 

私が20歳の時に著した『大自然の摂理とその啓示』と『人類に告ぐ』は、ともにこの超越状態で書いたものである。

超越状態はトランス意識

「超越状態」とは、別の箇所の記述を読むと、「トランス状態」であることがわかります。

デイビスが言うトランス状態(意識)は、変性意識とは少し異なっている感触を受けます。

デイビスは、トランス状態になると、通常の自我(個我)が消えて、宇宙の根源意識と同じ性質の真我が開けて(霊性が強くなり)、ワンネス状態になることを指していると思います。

霊性が色濃くなることが、過集中や薬物で生じるアストラル界的な変性意識と異なっていると思います。

まさに宇宙の根源意識に肉薄するワンネスであろうと思われます。霊性にあふれた意識の広大化(見性体験に通じる意識)ともいえます。

ちなみにイエス・キリストやスウェーデンボルグも、この超越状態に達した人物としてあげています。

協力者により超越状態が深化

デイビスの超越状態(トランス意識)が深まっていったことは、適切な食生活などをアドバイスし、陰に陽にサポートしてくれた協力者のお陰であるといっています。

21才で『自然の原理』を著すことができたのも、優れた協力者がいたからだと言っています。

デイビス自身は、先天的に霊的素質がありました。しかしこの才能の開発のために、良い指導とアドバイスを与えてくれた「協力者」の存在は非常に大きいと語っています

協力者からの食生活および習慣についての細かいアドバイスのおかげで、デイビスの霊能力は日に日に開発し成長していったといいます。

デイヴィスの透視能力は2種類|遠隔透視とリーディング

デイヴィスは透視の能力を「霊的感識力(遠隔透視能力)」「霊的印象力(リーディング能力)」の二種類に区別しています。

  • 霊的感識力
    遠隔透視能力/アジナーチャクラを使う
  • 霊的印象力
    アカシックレコード(宇宙の記憶倉庫)のリーディング能力/サハスララチャクラ&ソウルスターチャクラ

霊的感識力(遠隔透視力)

【霊的感識力】とは、現在の事実を知る能力。遠隔透視能力アジナーチャクラを使う透視能力。

前頭部の脳(アジナーチャクラ)から柔らかい透明な光(気・エネルギー)が出て、自然界の電気(気・エネルギー)と融合すると、瞬時に目標物(近くにいる人物でも遥か彼方の惑星でも)を肉眼で見ているのと同じ感覚で見えてくるといいます。

デイビスは「超越状態」に入ると、すぐに「広大な光の世界」と結びつくという。この感覚は、宇宙に遍満する電気(気・エネルギー)にじかに接触するようなものとも言っています。

霊的印象力(リーディング能力)

【霊的印象力】とは、過去の出来事を知る能力。アカシックレコード(宇宙の記憶倉庫)をリーディングする。サハスララチャクラソウルスターチャクラを使う。

頭頂部(サハスララチャクラ)から光のかたまりが、二、三フィート(60~90㎝)上昇し、そこで(ソウルスターチャクラ)突如として大光界と融合するといいます。

その大光界とは、「霊界の知識の凝縮体(アカシックレコード)」であり、巨大な太陽が発する光のように出てくるといいます。

その大光界に、デイビスが求める知識が充満し、ありとあらゆる情報と知識が詰め込まれているといいます。

アカシックレコードは宇宙の記憶庫

人間の体験は、脳や潜在意識に記憶されていて、二度と消えることがありません。

これと同じで、地球が体験した(起きた)ことは、全部宇宙のエーテル(アカシックレコード)に記憶されているといいます。

このアカシックレコードに接触できる能力さえあれば、どのような知識でも入手できるといいます。

後述するデイビスが説いた宇宙誕生、太陽系誕生、地球誕生、人類の誕生と進化論、イエス・キリストの実像は、すべてこの方法でデイビスが取得したといいます。

幽体離脱して霊界へ行く

アンドリュー・ジャクソン・デイヴィスの霊界探索(チャネリング)は、当時多かった指導霊(霊的存在)の導きやアシストによるものではなかったといいます。自ら幽体離脱して訪問するやり方だったといいます。

ロバート・モンローや、ゲリー・ボーネル、オリヴァー・フォックス、エマヌエル・スウェーデンボルグと同じタイプだったということですね。

デイビスの幽体離脱

デイビスは、超越状態(真我意識、トランス意識)になり横たわると、意識が肉体から離れていくといいます。

このとき意識は、肉体機能の作用を受けなくなり、一本の細かい磁気性の紐(シルバーコード)につながっているだけになるといいます。

この紐(シルバーコード)があるからこそ肉体に戻れるといいます。

まさに「幽体離脱」です。

幽体離脱すると、宇宙に満ちあふれるする一種のエーテル(気・エネルギー)を媒介として、外界のことを認識するといいます。

そのエーテルは、思考と思考、心と心、時間と永遠とをつなぐ橋のようなもので、情報をキャッチし認識する時は必ずこの宇宙に遍満するエーテルを媒介するといいます。

幽体離脱をして霊界(第二界)を探索

アンドリュー・ジャクソン・デイヴィスが、思想や真理を入手する時は、霊界へチャンネルを切り替えるようなことをするといいます。

このとき距離や空間といった「間隔」はまったく無くなるといいます。

ディビスが幽体離脱すると、目の前に一枚のベールが降ろされたように、地上のあらゆる存在物が見えなくなるといいます。

同時に、明るい光に輝く霊的世界(霊界の第二界)が目の前に広がるといいます。

この「明るい光」こそ霊界を認識する際の媒介になるといいます。で、この明るい光が霊界の全域に広がって、第二界全体を一つにまとめているといいます。

霊視は望遠鏡のようなもの

霊視は望遠鏡的であるといいます。

たとえば太陽は遠方にありますが、霊視で見ると太陽の球形は消えてしまうといいます。これは、霊視すると太陽に近づきすぎて、外形が見えなくなるからだといいます。

また霊視では本質が最初に見える、次に外部的なものが見え、最後に形状がくっきり見えるといいます。

このことは長い経験でわかったことだといいます。

人間界で起きる事の原因が霊界にある

ディビスは、「人間の世界で『目に見えぬ者』と読んでいる存在は、第二界(霊界)の存在である」といっています。

このことは今では当たり前になっていますが、19世紀後半のアメリカ社会では、「悪魔の戯れ言」として受け止められる内容でした。

しかも、「人間の世界で起きるあらゆる出来事の『原因』『根源』が、第二界でわかる(知ることができる)」といっています。

要するに、人間界と霊的世界は裏表の関係えということになりますが、同じことを大本系の神道系宗教でも言っていますね。

現世(人間界)は隠世(常世、霊界)の写しであると。

ディビスが霊界で知り得たことは、日本の宗教でも言われていることです。普遍的な実相であると思います。

ちなみにディビスは、霊的存在から教わったのではなく、宇宙神(宇宙の中心霊)とチャネリングしてもたらされる情報であるといいます。

宇宙神とは何か?|霊的大太陽が意識の中枢

デイヴィスによれば、神とは「宇宙神」であり、あらゆる物質・エッセンス・要素が極限まで昇華された完全な統一体であるといいます。

その中枢は、大宇宙の渦巻きの中心であり、これを「霊的大太陽」といっています。

宇宙と神との関係は、人体と霊の関係と完全に一致するといいます。霊が人体を通じて機能するように、神は宇宙という広大無辺の器官を通じて機能しているといいます。

「創造的大霊」「霊的大太陽(宇宙神)」「大太陽(物的太陽)」の3つがキーワードになりますが、以下、ディビスが説く宇宙についてご紹介します。

宇宙神と三つの構造

デイヴィスによれば、宇宙神は次のような存在であるといいます。

宇宙神は、「全存在の根源」「絶対的存在」であり、清浄・純粋・永遠にして無限、神々しさと不滅の輝きを具え、雄大でありながら完全に調和がとれた存在。

その宇宙神の構造は、三つの層として理解できます。

最も奥にある根源が「創造的大霊」です。永遠の大根源であり、すべての始まりです。インドのウパニシャッドでいうところのブラフマン(梵)とほぼ同じです。

その「創造的大霊」の衣服にあたるのが「霊的大太陽」。霊的大太陽は「神の御心」すなわち愛の源であり、すべての物的存在の中心・根源です。

霊的大太陽は、光と愛として顕現し、そこから物的太陽と宇宙全体を生み出します。

その霊的大太陽の物理的な表現が「大太陽(物的太陽)」。宇宙の渦巻きの中心であり、大宇宙の脳髄に相当します。

宇宙神は物的宇宙を身体としています。

究極的にいえば、物的宇宙は「創造的大霊」の身体であり、その霊的要素が開闢(かいびゃく)して物理的な天体が生じました。

無数の星辰の調和は、そのまま神の秩序と叡智の表現にほかならないといいます。

霊性は宇宙神を希求する

人間の魂は、常に「全能、愛、叡智」といった宇宙神の性質に、磁石のように惹きつけられると、ディビスはいいます。

これは「霊性」ともいいます。

「全能、愛、叡智」こそ「宇宙神の感覚中枢」に相当し、全ての宇宙活動動と生命力の源泉であり、荘厳さと完全さの泉です。

宇宙神は全てに宿っています。

これは、まさにブラフマンであり、大霊、サムシンググレートに通じます。

宇宙の霊的大太陽を脳髄とし、宇宙全体を身体とする。ここに完全なる神が表れている。

このことは人体でも同様。人間の魂は宇宙神であり、身体が宇宙。

まさに「梵我一如」。であるが故に、人は宇宙神にあこがれ、向かっていこうとするのでしょう。

宇宙神を希求する趨勢を「霊性」といい、古来より世界中の宗教で説かれ、目指していたわけでね。

この共通の姿勢は、まさに人間の魂の性質だったことが、ディビスの霊性情報からもわかります。

調和哲学(ハーモニアル哲学)とは何か?

デイヴィスの思想体系は「調和哲学(Harmonial Philosophy)」と呼ばれます。その核心を一言で表すなら、「霊的現象も含めたすべての存在は、自然法則の範囲内にある」ということです。

進歩の法則

調和哲学が説く世界観の中心には、「進歩の法則」があります。それは、物質から植物、動物、人間、霊的存在へと段階的に上昇していくということです。

この宇宙的スケールの進歩のプロセスこそが、すべての存在を貫く根本原理だとデイヴィスはいいます。

これは生物学的な進化論ではなく、物質界から霊界までを包括した宇宙全体が、より高みに向上していく発展的進化論として語られています。

霊的世界と物質世界

調和哲学のもう一つの柱は、霊的世界と物質世界の連続性です。

霊界は物質界の「外側」にある別世界ではなく、物質界の内的延長として存在しています。

「霊界も物質界から誕生する。それはあたかも美しき花が土塊の成分から出来あがるのと軌を一にする」

デイヴィスはこのように説明しています。で、この説明が調和哲学の本質を端的に示しています。

制度的な宗教を否定

また調和哲学は、制度的な宗教・教会・聖書の権威をすべて否定し、真の宗教とは自然そのものの宗教であると主張します。

神とは人格神ではなく、宇宙を貫く「大いなる根源力」であり、イエスもスウェーデンボルグも「超越状態」に達した優れた人間にすぎないというのがデイヴィスの立場です。

心霊現象のみ追求しない

晩年のデイヴィスは、当時のスピリチュアリストたちが心霊現象の面白さばかりを追求して、哲学的・宗教的な深みをおろそかにしていることを批判します。

そうして1880年に自分の思想を「調和哲学」として独自に命名。

心霊現象はあくまで深い真理への「物的証拠」であって、現象そのものがゴールではないとするのが、調和哲学の立場です。

このことは、後に登場する真摯なスピリチュアリストも異口同音に言うようになります。

宇宙の誕生と構造を透視

アンドリュー・ジャクソン・デイヴィスは、トランス状態で宇宙の誕生を次のように語っています。

『自然の原理』第二部「大自然の啓示」の冒頭は、壮大な宇宙創成の記述から始まります。

天地いまだ分かれざる時、宇宙は人智も言語も絶した液状の火の海であった。その広さ、その高さ、その深さは、いかに想像の翼を広げたとて人間の理解力の届かぬことである。

 

その全能の力こそ大宇宙の根源力すなわち『神』なのである。

 

そして、それが永遠の『動き』となって発展したのが、この宇宙なのだ。まさに『物』と『動き』こそ宇宙の根源的条件なのである。

 

この宇宙の中心すなわち大太陽は、熱と光とを発散し、天体の構成に恰好な原料を供給していった。

 

そしてその原料が最後には星雲となり、無限の宇宙空間に広がっていった。つまり斥力と引力と凝結の原理に従った絶え間ない”動き”と”発展力”とが、数知れぬ天体を構成して行ったのである。

 

かくして出来あがった天体は大中心から分かれたばかりの火焔的存在で、いまだ凝結の段階に至っていない太陽の如き存在であった。

この原初の「液状の火のかたまり」が、熱と光と電気とを発しながら物的宇宙空間に広がり、やがて凝結して数知れぬ天体組織となったといいます。

デイビスの語る宇宙の生誕は、ラプラスの「星雲仮説」と非常に近いものであり、現代の宇宙論的な観点からも興味深い要素を含んでいます。

※ラプラスの「星雲仮設」:高温で回転する星雲(ガス塊)が冷却収縮し、回転が速まることで周囲に環を放出し、それがまとまって銀河や惑星になったという理論

宇宙は六大星雲

デイヴィスによれば宇宙は六大星雲から構成されており、中心には大太陽が存在しているといいます。

われわれの太陽系は、大太陽に近い順に数えて、五番目の星雲に属しているといいます。

六番目の星雲が物的宇宙の一番外側を回転しており、まだ十分凝結しきっておらず一種の彗星のような状態にあるといいます。

ちなみに銀河系は「六つの恒星集団」から成り、その一番中心にある太陽のまわりを回転している。

宇宙の根本原理は大調和

また宇宙全体は「大いなる調和(Great Harmonia)」という根本原理によって支配されており、すべての存在は物質的・霊的な進歩を続けるという趨勢と生命構造を有していると説きました。

ちなみに、「大いなる調和(Great Harmonia)」という根本原理は、インドのウパニシャッド哲学でいう「ブラフマン」とまったく同じことだったりします。

ほとんど正規教育を受けていないデイヴィスが、トランス中にこうした内容を語ったことは、当時の支持者たちを驚かせました。

太陽系の誕生と構造を透視

デイヴィスは太陽系の誕生についても詳述しています。

太陽の誕生

まず太陽が誕生しました。

が、当時の太陽は、現在一番遠くにある惑星が位置する範囲にまで火焔の枝を伸ばしていました。

それが時の経過とともに凝縮し冷却して、今日の惑星となったといいます。

各惑星には地球人に似た住人がいる

太陽系内の各惑星には、地球人に似た住人がいるといいます。

ただし、天王星、海王星、冥王星の三つの惑星には、住民はいないといいます。

土星、木星、火星、地球、金星、水星には、地球人に似た生命が存在するとも述べています。

実際、サマーランド(霊界)の住人には、地球だけでなく土星、木星、火星、金星、水星に生まれた存在たちがいることをディビスは語っています。

遠い惑星ほど進化している

ちなみにデイヴィスは、各惑星の進化の特徴についても述べています。

太陽に近い惑星ほど物質が鈍重なために、進化が遅れているといいます。

反対に、遠い惑星ほど構成要素が純化されているため、生命も進化しているといいます。

太陽に近い惑星のほうが、進化している印象も受けますが、太陽から遠い惑星のほうが進化しているというのは驚きです。

土星の人間が最も発達している

実際、デイヴィスは各惑星の生命について、特に土星の人間が最も発達していることを語っています。

土星には地球が誕生する何千年も前に有機的生命が発生していた。したがって進化の程度もそれだけ高い。肉体的にも精神的にも土星人はすっかり完成されている。

土星人の特徴は以下の通りです。

知性

  • 難問すらも容易に解く多面的なつ強力な知性を持つ
  • さまざまな現象から読み解く帰納的な知力にすぐれている
  • 総合的な探求心が高く尽きない
  • 太陽系のみならず他の天体の生活者の事情に詳しい

精神性

  • 精神的に完成され精神上の弱点がほとんどない
  • 思慮分別がよく行き届いている
  • 洞察力が非常にすぐれ一瞥のもとにすべてを把握する
  • 「存在はすべて善なり」という精神で接する
  • 霊界の第二界にも通じている
  • 真の実在以外は感知しない

身体性

  • 肉体的にも完成し病が存在していない
  • 頭部が非常に高く長い

道徳性

  • 道徳的にも完成している
  • 身体・精神・道徳のすべてにおいて完成している

これが土星人の特徴であるとディビスは言います。

占星術では、土星は不幸の星・試練の星とされています。しかしディビスの透視では、土星がもっとも発達しているといいます。

デイヴィスの惑星透視に基づく占星術

デイヴィスによる太陽系の惑星透視は、従来の占星術の概念がひっくりかえりそうな結果です。そんなデイヴィスの透視を踏まえて、占星術における各惑星の意味を整理してみたいと思います。

惑星 従来の吉凶 従来の意味 新解釈:地球レベル 新解釈:宇宙レベル
水星 吉星 知性 小賢しい知性が功を奏する ×低い知性
金星 大吉星 快楽 欲望を満たす幸福感 ×物質性の低い幸福感
吉星 情緒、感受力 なれ合いの幸福 △低い波動の心
火星 凶星 戦い 争い ○生命力の強さ、強靭さ
木星 大吉星 幸福 精神的な幸福 ◎精神的な幸福
土星 大凶星 制限 制限、不自由 ◎バランス、完成

海王星と冥王星の存在を予言

デイヴィスは、海王星と冥王星も遠隔透視で発見しています。

海王星は、フランスの天文学者ル・ベリエ(LeVerrier)が計算により「8番目の惑星が存在する」ことを1846年9月に発表します。

ところが、デイヴィスは、海王星が発見される6ケ月前の1846年3月に、霊視で海王星を発見しています。しかも冥王星も発見しています。

デイヴィスは「太陽系内の惑星は8個存在することは疑問の余地はない。しかしまだ8番目と9番目は太陽系に属する天体とは認められていない」と述べています。

冥王星は惑星でないことを予言

さらに「9番目の惑星(後に冥王星を命名される)は、彗星状の存在で、惑星と言える段階に至っていない」といっています。

これも驚異的な予言で、ディビスが予言した160年後の2006年から、冥王星は惑星として扱われなくなります。準惑星という扱いになっています。

というのも冥王星は、周回軌道上には氷や岩がベルト状に存在し、氷や岩をはじき飛ばすだけの力がないからだといいます。

冥王星以外の他の太陽系惑星は、その周回軌道上には氷や岩石のベルトは存在していません。はじき飛ばすだけの力があります。

それと、冥王星の周回軌道上には、ケレスやエリスといった小惑星もあり、冥王星は惑星として「弱い」というのが理由のようです。

アンドリュー・ジャクソン・デイヴィスの透視はすごいものがあります。かなり正確です。

リモートビューイングで惑星を透視

驚異的なアンドリュー・ジャクソン・デイヴィスの惑星透視なのですが、ちなみに惑星透視の仕方についても、ディヴィスは包み隠すことなく著書の中で具体的に述べています。

目標が惑星の一つ——たとえば土星だったらどうだろう。その場合でも霊的感識力は同じく瞬時にその惑星まで届くであろう。

 

ちょうど天体望遠鏡がその性能に応じて天体をわれわれの目に大きくして見せてくれるように、霊的感識力はまるで肉眼で窓越しに遠くの景色を見るが如く、すぐ近くに惑星を見せてくれるのである。

遠隔透視のやり方と同じということのようですね。

1970年代にCIAが実施した「プロジェクト・スターゲート」では、ジョセフ・マクモニーグルらは火星のリモートビューイング(遠隔透視)を行っています。

デイビスの惑星透視は、今でいうところのリモートビューイング(遠隔透視)そのものですね。

それにしても凄すぎです。約160年前の知られざる能力者です。

進化論について|人類誕生の起源を透視

デイヴィスの進化論は、チャールズ・ダーウィン『種の起源』を発表するおよそ9年前(1847〜50年)にすでに発表されていました。

ただしデイビスが説く進化論は、ダーウィンの進化論とは根本的に異なります。

デイヴィスは、トランス状態で宇宙の誕生から生命の発生・進化・人類の起源までの情報を、霊界にある「光が凝縮した大星雲・知識の倉庫(アカシックレコード)」から取得し、詳述しています。

無機質から生命は誕生

アンドリュー・ジャクソン・デイヴィスがアカシックレコードから取得した情報によれば、地球が形成された初期は、土・空気・火・水の四大要素が整い、地球に炭素と酸素が大気に広がったといいます。

その中で、石英・石灰石・炭素が化合して磁気熱が発生。そこに大気と水の成分が作用してゼラチン質の物質が誕生。そのゼラチン物質に、有機的生命の最初の種子が宿ったと。

やがて太陽熱(磁気)が水に作用して酸を生み、その酸が海中のアルカリ成分を引き寄せ、陰陽両極の働きによって原始的な海藻類の胚種が生成された。

これが地球における最初の生命誕生のプロセスです。

進化のエネルギーは内在している

その後の進化については、著書の第二部「大自然の啓示」で次のように語っています。

自然界には地球の表面および内部における生命の発達進化に必要なエネルギーが当初から宿されている

 

その進化の第一原理は『静』から『動』への変化すなわち『活動』であった。その活動がまず鉱物界に起こり、その発展が生命現象を生んでいったのである。

 

無生物には、それ自身の中にその後の進化の可能性のすべてが宿されていて、ちょうど植物のタネが自然に芽を出し葉をつけていくように、自然に生命へと進化してきた。

生命の最初の発生については自然発生説を主張。ドイツの自然哲学者ヘッケルと同様に生命は海の底から発生したと説きます。

太陽熱(磁気)が地球の水分に作用して酸を発し、アルカリ性の海中成分を吸収し、その両者が働き合って原始的な海藻類の胚種を生成した。

これが生命誕生のメカニズムとして、デイビスは語っています。

デイビスが解き明かす人類の起源

人類の起源については、ダーウィンと異なる独自の見解を示しています。

人類の先祖となる原始種族の一つは、脳が小さいながらも複雑で感受性が強く、アジアアフリカに生息していた。

 

体格は現代の動物をはるかに超える巨人級だが、長くて不恰好な手足太くて短かい胴体をしていた。外界への鋭敏さは他のいかなる動物にも勝っていた。

 

知的営みの萌芽として、喉から発する音声で仲間に意志を伝え、住居を考案し穴居生活も行いながら、約一千年にわたって安定した生活を送った種族。

デイヴィスによれば、人類は現存するサルから進化したのではなく、すでに絶滅した特殊な猿人の種族から進化したと述べています。

これは、その後の科学が到達した結論(ハイデルベルグ人、ネアンデルタール人、ジャワ原人など)に符合するものでした。

シュメール文明を示唆するリーディング

アンドリュー・ジャクソン・デイヴィスによる人類起源のアカシックレコード情報は、さらに続きます。

この種族に代わって、ジャロフとマンディンゴーという二つの原始種族が約八百年間生息。その後、環境条件の変化とともに、新しい系統の種族の創造が始まった。

 

この時期、地球全体が肥沃となり、植物が豊かに繁茂する中で、動物的段階から真の意味での「人間」への劇的な進化が起きた。

 

この最初の真の人類は、アジアのチグリス・ユーフラテス川流域(メソポタミア)に住みついた。体格が大きく骨格も密度が高い種族だったが、手足はまだ弓なりに湾曲していた。

これはまるでシュメール文明(メソポタミア文明)の幕開けを予感させるリーディングですね。

アヌンナキの話しと重なってきますが、デイビスによると、人間の進化は宇宙人がもたらしたものではなく、ある日、動物系の人間に、初めて霊魂(霊性)が宿った種が誕生したといいます。

つまり、突然変異によって霊性を持った類人猿が誕生したということです。

で、それが、真の意味での人類と呼べるものが地上で最初に住んだのはアジアの辺境および中部であった。

これらを無学の10代の青年が、アカシックレコード(霊界にある「光が凝縮した大星雲・知識の倉庫」)から取得した情報であるといいますので、デイビスの能力がズバ抜けていたことがわかります。

デイヴィスとダーウィンの根本的な違い

デイヴィスの進化論はダーウィンの進化論とは根本的に異なります。比較すると以下のようになります。

観点 デイヴィス ダーウィン
進化の基本像 宇宙・生命・精神を貫く「段階的上昇」 自然選択による種の分岐適応
方法論 アカシックレコード情報を取得。
透視・磁気催眠による「見た」ことの体系化
知的推論。観察・比較・帰納
目的論 生命はより高次へ向かう趨勢があるから進化する 目的を前提にせず環境適応の結果を説明
精神の位置づけ 霊性(霊魂)が動物体に導入される 脳の機能として連続的に発達
人間の位置 上昇系列の終点近くに置く 動物界の連続上に位置づける

デイヴィスの進化論の最大の特徴は、人間の「精神」は動物から進化したのではないという主張です。

精神は脳とは別個の存在であり、動物の知能とは、根本の性質においては同じであっても、発達の段階と系統がまったく異なるというものです。

宇宙間のあらゆる力は、霊的エネルギーの顕現であり、人間の精神は、その最高表現であるというのがデイヴィスの見解でした。

デイヴィスは進化を単なる生物学的プロセスとしてではなく、より大きな霊的・宇宙的な進歩の一部として捉えていました。

物質から始まり、植物・動物・人間・霊的存在へと上昇していく「進歩の法則」こそが、宇宙の根本原理であると主張しています。

これは後のスピリチュアリズムにおける「霊的進化」という概念の土台となっていきます。

なお、デイヴィスの生物史の記述には特定の人種を「類人猿的段階」に類比するような人種差別的・階層的な記述が含まれており、現代の学術・倫理的観点からは重大な問題があります。

しかし、現代からみれば差別的といわれる表現は、19世紀~20世紀半ばくらいまではよくみられたことだったりします。

ムー大陸の沈没を透視

ムー大陸(レムリア大陸)の沈没とおぼしきことも、ディビスは『大調和』の中で語っています。

地球の中心にある溶岩が、想像もできないほど激しく動き始めたのは、地球の内側と外側のバランスが崩れたためでした。

 

それまでも似たようなことはありましたが、アンデス山脈やベスビアス火山などの活火山だけでは、地球内部で動き出した溶岩を噴火させて、外へ逃がすことができませんでした。

 

ついに地球全体の不均衡は元に戻ることはなく、激しい爆音が地球の奥深くまで響きわたり、地球そのものが大きく揺れ動き、炎や噴煙、濃い霧、さらに激しい雨が地球全体を覆い尽くしました。

 

そして、現在でいう東半球と西半球の中間にあたる地域にいた人々は、このときほとんどが滅びました。かろうじて生き残った人々も、あまりの恐怖のために意識を失い、まるで死人のように倒れていました。

 

その悲惨なありさまは、とても言葉では言い表せないほどです。この地球の大変動が落ち着くまでに三日かかりました。

 

そして最後の段階で、地球の北の部分が大きく持ち上がり(ヒマラヤ山脈の隆起)、その勢いで、それまで乾いていた低地へ海水が一気に流れ込みました。

 

こうして、新しい大洋や海溝、湖、湾、川が一度に形づくられました。現在の地図で見る地形は、そのときにできあがりました。

この説明は、まさにムー大陸(レムリア大陸)の沈没や、ニューブローの『オアスペ』が説く約2万4000年前に海に沈んだ「パン大陸(Pan)」を彷彿とさせます。

肉体・エーテル体・霊の三層構造

デイヴィスは人間を肉体エーテル体霊(スピリット)という三層構造で捉えています。

エーテル体とは、霊(真我)を宿し続ける精妙な身体をいいます。エーテル体は非物質的な微細な身体で、通常の感覚ではわかりません。

人が地上で生きている間、人はこのエーテル体が、生命力、身体の動き、知覚、本能といったかたちで現れています。

亡くなって霊界で生活する際、エーテル体で生活します。

一方で「霊(スピリット)」とは、大自然界を貫く大いなる生命力、いわば神そのものであり、人間存在の第一原理とされます。真我に近いところもあります。

エーテル体と霊(スピリット)との関係

エーテル体は肉体における生命力の担い手であり、霊(スピリット)はそのエーテル体を生かしている根本の生命力ということになります。

死後になると、生前は肉体の生命力を支えていたエーテル体が、今度は霊(真我)という永遠不滅の存在の身体となるといいます。

魂のある場所は?|視床下部と松果体

デイヴィスは、著書『ペネトラリア(The Penetralia)』の中で、人間の意識を司る重要な脳の部位(魂のある場所)について述べています。

意識の座(魂のある場所)は脳髄の中心近くにある。そこにはおはじき玉ぐらいの核が存在し、その核の中に人間を生かしめている活力が凝縮されている。

また著書『大調和(The Great Harmonia)』の 5巻『思索する者(TheThinker)』ではこうも説明しています。

大脳の中心近くに霊的な磁石がある。これは霊(魂:スピリット)がエネルギーを集め凝縮させている。肉眼で見れば黄金色の太陽の如く輝いてみえる。大きさはおはじきほど。すべての活発なエネルギーとエッセンスが四六時中ここに引き寄せられていく。

整理すると、「おはじき玉(12mm~15mm)ぐらいの核」「色は輝いた黄金色の太陽のよう」「活力が凝縮、活動エネルギー」ということで、これらに該当しそうな脳の部位は、松果体視床下部になりそうです。

魂のある場所はどこか?

比較すると、

  • 松果体
    ・大きさ:グリーンピース1粒ほど(長さ5〜8mm、幅3〜5mm)⇒やや小さい
    ・色:赤みがかった灰色⇒輝いていないが太陽の色(赤)
    ・機能:意識の座、魂の座⇒合っていない印象
    「中心近く」「小さい」「神秘的な核」というイメージにはかなり合う。
  • 視床下部
    ・大きさ:親指の先⇒おはじき玉の大きさに合う
    ・色:赤みがかったグレー薄いピンク色⇒輝いていないが太陽の色(赤)
    ・機能:生命維持、生体の活力調整、自律神経、内分泌⇒合っている
    「人間を生かしめている活力」という説明は、機能的にはこちらの方が近い。

魂の部位は視床下部?松果体?

総合的に比較すると、ディヴィスが言っている魂のある場所とは「視床下部」の可能性が高そうです。

しかし視床下部よりも、松果体のほうがスピリチュアルでも「意識の座」「魂の座」といわれ重視されています。

ディヴィスが言っていることは錯綜している印象も受けます。つまり、松果体と視床下部を混在して霊視している可能性ですね。

おそらくディヴィスは混在・錯綜していたのではないかと推察します。

松果体と視床下部を含めて「視床」全体としておいても良さそうです。

老化は死の準備|エーテル体からみた真実

ディヴィスは、人間の老化は、次の人生(霊的人生)における準備であることを『大調和(The Great Harmonia)』の 5巻『思索する者(TheThinker)』でくわしく説明しています。

老化の真実~エーテル体へのエネルギーを増やす

眼には、肉体の眼(肉眼)エーテル体の眼(霊眼)がある。で、肉眼と霊眼の両方に、エーテルのエキスが供給されている。

ところが年齢とともに、霊眼へのエーテル・エキスの供給量が増えていく。そのため、年を取ると肉眼の視力が急速に衰えていく。

耳も同じ。
肉体の耳と霊的な耳がある。年を取ると、霊的な耳のほうにエーテル・エキスが多く供給される。だから肉体の聴力が衰えていく。聴力を失っていく。

「耳が遠くなったなあ」とガッカリする必要はない。肉体の聴力がエーテル体へ移行し、次の世界での生活の準備を整えているのである。

頭の働きも同様。
「あの人もボケてきたな」と気の毒に思うかもしれない。

しかし、これも目や耳の場合と同じ。
エーテル体の脳を準備するために、肉体の脳が、そのエキス分をエーテル体を優先して回し送り続けた。そのために、肉体の脳細胞は磨り減り、衰弱し、やがて停止する。

つまり老化とは、肉体の生涯から、次の霊的身体への生涯へ移行するプロセスということ。

大工場が閉鎖していくのが老化。しかし、それまで工場を動かし続けてきた動力は消滅しない。動力源である「霊(魂)」は、相変わらず生き生きとしている。

老化が進むと、うわべの肉体は衰え、言うことがおかしくなり、手もふるえることも出てくる。だが、それはエネルギーが切れたからではない。

肉体を構成する骨、筋肉、神経、繊維、さらに肺・胃・肝・腎・膵などの内臓までもが、その最高のエキス分をエーテル体へ供給し、次の世界、すなわち霊的世界で使用する身体を用意してきた結果。

霊界で使うエーテル体を整備する

これを、ただの老化現象だと決め込むことは見当違い。人間の老化と死は、昆虫の羽化や、種子が芽を出すのと同じ。

死に瀕した老人が聞こえず、見えず、食事も受けつけなくなるのは、第二の人生(霊界での生活)のためのエーテル体を整備しつつある現象。

やがて工場全体に静寂が訪れ、すべての仕事が終わる。

だが、その長きにわたる工場の動力源(霊:魂)は、工場から運び出される。

霊(魂)は、生命の灯の消えた暗い肉体から抜け出て、歓迎のために訪れた霊魂の集まり(霊界)へと歩み寄るのである。

亡くなった直後の魂の様子

ディヴィスは、人が亡くなると、魂(松果体と視床下部)にある魂が離脱して変化していく様を述べています。

あらましは次の通りです。※『大調和(The Great Harmonia)』の 5巻『思索する者(TheThinker)』より

人が息を引き取ると、黄金色に輝く小さな霊的なかたまりが現れた。それは静かに、しかし素早く上昇し、天井を突き抜けて、家のあたりをふわりふわりと漂った。

 

私は、それが生命を失った肉体の横たわる部屋の、はるか上空に浮かんでいる様子を、霊眼で観察した。

 

その霊的な磁石は、心臓のように脈打っていた。大きさは、小さなオレンジほどしかない。

 

しかし、やがてそれは急速に大きくなり、脈の打ち方も規則正しくなっていった。

 

その中心と、死の床に横たわる肉体とのあいだには、一本の光の糸(シルバーコード)がつながっていた。そしてその糸が、肉体のあらゆる部分、あらゆる要素を引き寄せていた。

 

観察しながらいろいろ考えているうちに、やがてその光の玉の中に、霊体の頭部が見えてきた。中心の磁石は、なおも脈打ち続けている。やがて、その光の玉の中から、しなやかな手が現れ、脚が現れた

 

それは赤子のように丸みを帯び、天上の美しさにあふれていた。全体の外形こそ、死の床に横たわる肉体に似ている

 

しかし、そこには若々しさと、しなやかさと、上品さと、そして神々しい美しさが満ちていた。

人が亡くなった直後の様子が非常にくわしく描写されていますね。

人が亡くなるプロセス

デイヴィスは死を恐怖や悲劇としてではなく、次のように語っています。

「『死』と呼ばれる現象は実はあらゆる現象の中でも最も賛美に値する現象であり、誰しもその到来を何よりも楽しみに待ち望み、有難いことと思うべきものである。」

またデイヴィスは死のプロセスを霊視によって詳細に観察・記述しました。これは彼の著作の中でも最も具体的で興味深い部分の一つです。

『大調和(The Great Harmonia)』第1巻「医師(The Physician)」 の中にあります。要約すると次の通りですが、こちらの「人は死んだらどうなるのか」という記事で詳細に解説しています。

人は死んだらどうなるのか|魂・霊体・意識・死後の世界を透視者の記録からわかりやすく解説

死にゆく姿

六十歳ほどの女性を診察したとき、私は直感的に、この人は遠からず癌性の病気で亡くなると感じた。

彼女の死期が近づいたとき、私は人目を避けて入神し、その死の過程を霊的に観察した。

そこで見たのは、肉体と魂が最後まで結びつきを保とうとする姿であった。

筋肉、血管、神経、
脳などの各器官は、それぞれの働きを保ちながら、魂が去るのを引き止めようとしていた。

その葛藤が、外からは死の苦悶やあがきのように見える。だが実際には苦痛ではなく、魂が肉体との協同作業を一つ一つ解消していく反応にすぎないという。

霊体の誕生が肉体の死

やがて全身の生体電気や生体磁気が脳に集中し、頭部が明るく輝きはじめた。

すると、その発光する霊気の中に、もう一つの頭が現れ、さらに首、肩、胸、全身が形成されて人間の姿をした霊体が形づくられていった。

新しい霊体には肉体の欠陥はない。生前よりも健康で美しい姿だった。完成した霊体は亡骸の頭上に立っていた。

肉体とはなお一本の電気性のコード(シルバーコード)で結ばれていた。このコードは母体と胎児をつなぐへその緒のようなもので、やがて切れる。

その瞬間、私は「死とは終わりではなく、霊の誕生である」と悟った。

死の直後

その後、霊体は霊界の空気のようなものを吸収し、自然に動けるようになった。

さらに迎えに来た二人の霊とともに、地球のエーテル層を歩いて去っていった。

振り返って亡骸を見ると、そこには冷えた遺体だけがあった。まるで蝶が置き去りにした毛虫の抜け殻のようであった。

つまり死とは、肉体の終わりではあっても、霊にとっては第二の誕生なのである。

霊界(サマーランド)について

デイヴィスの死後世界観はスピリチュアリズム思想において最も影響力を持った部分の一つです。

天国・地獄という二項対立ではなく、段階的な進化の場として描かれる「サマーランド」の概念は、近代スピリチュアリズムの標準的な死後世界観を形成しました。

ディヴィスは、幽体離脱、透視、アカスックレコード・リーディングを組み合わせて、霊界の誕生から様子までを霊視・透視しています。

そんなディヴィスが霊視・透視した霊界について、『大調和(The Great Harmonia)/第五巻The Thinker)』から要約してみます。

霊界の形成

霊界も物的世界である。
ただし、その物質の組織は、純度が高く、次元が異なる。その点が違うだけで、本質的には、地球にある組織と変わらない。

違いをたとえでいうと、バラの花と、その香りの関係に似ている。

目には見えず、測ることもできないほど精妙な発散物が、霊界に凝集しつくり上げている。

では、その過程を順に見てみよう。
地球は当初、固い岩石ばかりだった。
次に、内部に埋蔵されていたガスが噴き出し、凝縮して水となった。

さらに、その水の放散物から大気が生まれた。
その大気の中に電気が発生し、さらに磁気が生じた。
そして最後に、エーテルが生まれ、宇宙へと広がっていった。

このエーテルが霊界を構成していくのである。
水星、金星、地球、火星、木星、土星、その他、目に見える天体も見えない天体も同じである。

エーテルは、大気を上昇し、ある一点にとどまる。

やがて、その内部から親和力が働き始める。
すると、蓄積されていたエーテルの放散物は凝縮し、密度と強度を増す。

ついには、星雲のまわりに、半物質性の広大な生活の場が形成される。これが霊界である。

霊界もまた、物的天体から生まれる。それは、ちょうど美しい花が土の養分から育つのと同じである。

肉体の中で精製し尽くされたエーテル成分によって霊体がつくられるのと同じように、地球の霊界もまた、地球から精製され尽くしたエーテル放散物によってでき上がっている。

七つの階層(スフィア)

霊界は、天文学でいう惑星や、夜空に輝く星々と同じ巨大な宇宙の組織に属している。

そして、膨大な天体の内面には、銀色に輝く霊界がある。

それはちょうど、人体の内面に霊体があるのと同じ。

目に見える恒星や惑星の集団にも、その内面に霊的な世界が存在している。自転と公転を続けている。

この霊界は、私のいう第二界にあたる。

さらに、その第二界の奥には第三界があり、そのさらに奥には第四界がある。そしてその奥に第五界があり、さらに第六界が続く。

最奥にある第七界は、神的エネルギーの渦巻く世界であり、完全無欠なる神の玉座である。

※第七界は、おそらく原始仏典が伝える梵天(宇宙最高の人格神)が住む色界や無色界であろうと推察。

七つの霊界は各太陽系一団に存在する

デービスによると、この「七つの霊界」は、ほとんど銀河系全体に行きわたっているという。

わが太陽系はその銀河系の一番外側に位置し、しかもホンの小さな天体にすぎない。

銀河系は「六つの恒星集団」から成り、その一番中心にある太陽のまわりを回転している。

各恒星集団、すなわち太陽の一団にはそれぞれの霊界がある。太陽の住民と、その惑星の住民の「死後の生活場」となっている。

わが太陽は銀河系の中心から五番目に位置する恒星集団の一員。”天の川”もその一部である。

一番外側に位置する六番目の集団は、まだ恒星となるに至らない彗星状の天体の集団。したがってここは霊界をもつに至っていない。

霊界の位置

広大な数の星々に存在しているのが、霊界である。

霊界とは、肉体の内奥に霊体があるのと同じように、光り輝く星団の内奥に霊界が存在している。

霊界は、霊視などの超能力によって見ることができる。しかし天文学者が使う望遠鏡では見ることはできない。

そのため霊界の存在は、これから先も物質科学にとってはしばらく未知の世界のままであろう。

この内奥の霊界こそが、第二界にあたる。そのさらに奥には第三界があり、次いで第四界、第五界、第六界と続いている。

そして最奥にある第七界は、完全で神聖な絶対的エネルギーが渦巻く世界、すなわち神界なのである。

第二界の具体的な様子

ディヴィスは幽体離脱をして第二界の霊界を見たことを残しています。それは以下の通りです。

幽体離脱をした私の霊眼には、地上のさまざまな存在と人間の身体が、非常に明るく生き生きと映ってくる。

また、それらが何であり、どこにあるのかは、「霊の光」で見分けることができる。

外側の肉体は見えない。見えるのは、霊の光の形をした生きた霊的存在だけである。

この霊視力のおかげで、私は第二界の霊的存在と交わることができた。そして今、眼の前には第二界の景色や住居が見えてきた。

霊界の雰囲気

  • 霊界には、荘厳な静けさが満ちている。
  • 言葉では表しがたい幸福感がみなぎっている。
  • 法悦・歓喜・賛美の心が、上界へ向かって絶えず立ちのぼっている。
  • その純粋さと荘厳さは、言葉では尽くせないほどである。

第二界に来る魂

  • 地球に限らず、あらゆる天体で幼くして死んだ子どもの霊魂は、第二界に連れてこられる。
  • そこで真理の教育を受け、地上で未熟なまま終えた人生についても学ぶ。
  • やがて成長し、完成へ向かっていく。
  • これは子どもだけでなく、未熟で無知な霊魂すべてに当てはまる。
  • さらに、地上で高い教養を身につけた知識人であっても、第二界では改めて霊界と地上の全存在について学ばなければならない。

同じレベルの魂は共鳴・親和力・愛慕で引き合う

  • 霊たちは、それぞれの身体を包む光の度合いに応じて近づき合う。
  • 同じ社会に属する霊魂どうしは、愛と純粋性の発達の程度がほぼ等しい。
  • そのため自然に愛慕の情を抱き合う。
  • こうして、共鳴・親和力・愛慕の法則によって三つの共同体が成り立っている。

第二界には三つの社会がある

第二界は、三つの階級、あるいは三つの社会によって構成されている。

男性も女性も、それぞれ地上での体験を記憶の層に保っており、そこから概念を引き出して理解しているのである。

第一の社会

  • 第一の社会は、幼児と未熟な霊魂の世界である。
  • 彼らは地上を去ったときの発達段階のままでいる。
  • 同じ未熟な霊でも、その程度にはさまざまな違いがある。
  • 主として金星、水星、地球、火星から来た霊たちが住んでいる。
  • それ以外の天体から来た者たちは、思想や英知の面でさらに高い位置にあるように見える。

第二の社会

  • 第二の社会には、神的原理と真理について、かなりの悟りをもつ者たちが集まっている。

第三の社会

  • 第三の社会は、第二界の中でも最高の霊格をそなえた者たちの世界である。
  • その多くは木星や土星などから来た霊である。
  • さらに、他の太陽系の惑星から来た者も混じっている。
  • この社会を包む大気は非常に強く輝いている。
  • そのため、下の二つの社会の霊魂はその光に圧倒され、近づくことができない。

第二界の会話・視覚

  • 第二界での会話は、音声によるものではない。
  • 自分の思いを相手の表情へ向けて放射するような形で行われる。
  • 思念は、一種の呼吸作用のような形で相手の中へ入り込んでいく。
  • むしろ、相手の求めに応じて思念が流れ込むと言ったほうが近い。
  • また、眼によって相手の心を察することもある。
  • 眼は、内なる自我が顔をのぞかせる窓だからである。
  • 外界の事物を視覚によって感じ取っている。
  • ただし、視覚に映るものが本体そのものではなく、その反映にすぎない。

キリスト教批判について

デイヴィスはキリスト教の宗派主義者たちを、「霊的な原理において最も愚かで、最も紛れもない唯物論者だ」と痛烈に批判しました。

アメリカはキリスト教の国であり、そのキリスト教国家で、堂々とキリスト教を批判したアンドリュー・ジャクソン・デイヴィスは、かなりの勇気ある人だったことがわかります。

キリスト教への痛烈な批判は、以下の三つの層に整理できます。

①奇跡の否定

「神であっても自然法則を超越・中断することはできない」——これがデイヴィスの基本的立場です。著書『特別摂理の哲学』はこの立場を体系化したものです。

デイヴィスは『自然の原理』の中でイエスについて次のように述べています。

私のみるイエスは偉大なる道徳革命家であった。いかなる特権階級とも結びつかず、至って平凡な両親のもとに生まれ、その生まれ故郷のふところで育った。

 

並はずれた知性をもち、無限の愛と同情を胸に秘め、患える者を癒し、悩める者を訪ねて慰めの言葉をかけた。

 

イエスは決して自分が神の子であるなどとは言わなかった。

 

もし言ったとすれば、それは全ての人間と同じく永遠なる宇宙的大木の一本の枝という意味においてそう言ったのであろう。(Nature’s Divine Revelations)

②聖書の相対化

デイヴィスはバイブルを「何の変哲もない一冊の書物にすぎない」と断じ、神聖さなどひとかけらもない単なる「物語」として読む価値しかないといっています。

その物語としての価値も、中には無い方がましとも言える全く下らぬ書が幾つかあるとまで言っています。

19世紀後半に、キリスト教を頭ごなしに批判してますが、当時は、相当なバッシングもあったようです。

しかし現代においては、デイビスが指摘した批判は、多くの識者やキリスト教自由主義神学者からも言われています。

キリスト教批判においても、デイビスの先駆的な所見が垣間見られます。

③特別摂理の拒否と普遍宗教の提唱

デイヴィスが主張したのは、いかなる宗教も、他のすべての宗教に共通した普遍的真理を基本的教義として持つべきであるということです。

つまり、キリスト教のドグマを信じるのではなく、

  • 人間は死後も存続すること
  • 教えではなく人間の善性が大切なこと
  • 神が裁くのではなく因果応報という宇宙の法則によること
  • 普遍的な根源神が存在していること

これらを知り、体感、体現することだったりします。で、このことをデイビス自身が、実際に垣間見たことだったりします。

したがって、キリスト教でいう原罪、永遠の刑罰、イエス独自の神性といったのは作り話で、不合理な教義になっている。故に、これらは棄て去るべきだという点です。

これはごもっともです。

「イエスも我々もみな神の子である。なぜなら各自は普遍なる神の不可欠な一部だからだ」——これがデイヴィスの宗教観の核心です。

しかし、このことはグノーシス文献の「トマス福音書」に、イエスの言葉として伝承されています。

トマス福音書 3節
「神の国」あなたがたの中にある自分自身を知るならば、それがわかるであろう。そして自分が生ける父の子らであることを知るであろう。しかし、あなたがたがは自分自身を知らないなら貧困にあり、これが貧困なのである。

デイビスの先駆的な卓見が、ここでも見受けられます。

アンドリュー・ジャクソン・デイヴィスのキリスト教批判は、現代からすれば「真っ当」になりますが、当時の常識観でいえば、非常識にもほどがある発言だったことは、容易に想像がつきます。

スウェーデンボルグとの関係

デイヴィスの思想形成において、エマヌエル・スウェーデンボルグ(1688〜1772)は最も重要な影響源の一つです。

スウェーデンボルグはスウェーデンの科学者・神秘家であり、霊界を詳細に描写した膨大な著作で知られています。

デイヴィスは18歳の時、スウェーデンボルグを二人の案内霊の一人として名指ししています。

霊界の階層構造・対応の法則・魂の上昇という概念の多くは、スウェーデンボルグ思想から引き継がれています。

注目すべきはデイヴィスが生前にスウェーデンボルグの著作を読んでいなかった可能性が高い点です。

デイヴィスがトランス状態で入神講演を行った際、その内容がスウェーデンボルグの著作と驚くほど類似していることに周囲の人々が驚きました。

デイヴィスの信奉者の中には、これをデイヴィスがスウェーデンボルグに憑依されていた証拠とみなす者もいました。

が、デイヴィス本人は「独立した内的知覚」による啓示であると主張しています。

ただし後の批判的な研究者は、デイヴィスが『自然の原理』の中で、スウェーデンボルグの著作から長い文章を(意識的か無意識かはともかく)取り込んでいることを指摘しています。

しかし批判者は、言い掛かり的なことも言っていましたので、この批判が妥当なのかどうかは、その一次資料を読まない限りわかりません。

両者の思想的な共通点

両者の共通点は非常に多岐にわたります。

霊界が複数の階層から構成されること。
魂が霊界で継続的に学び発展すること。
死後も個性と記憶が保持されること。
そして霊界と物質界の間に「対応」の法則が働くこと。

これらはいずれも、スウェーデンボルグが体系化した概念とデイヴィスのものが一致しています。

両者の根本的な違い

スウェーデンボルグはキリスト教の枠組みの中で霊界を語り、神の啓示として受け取りました。

一方デイヴィスはキリスト教の権威を否定しながら、スウェーデンボルグの霊界論を「自然化・科学化」して取り込みました。

スウェーデンボルグの神秘的洞察を保ちながら、その宗教的権威の外枠を剥ぎ取り、自然法則の言語に置き換える——これがデイヴィスの戦略でした。

「霊界は自然の延長である」「霊的現象も自然法則の範囲内にある」という立場をデイヴィスは取っています。

これの立ち位置は、スウェーデンボルグの体験的直観を19世紀的な科学主義の言語に翻訳した試みとも言えます。

スウェーデンボルグが上流知識人層に影響を与えたのに対し、デイヴィスはより大衆的な層でスウェーデンボルグ的な世界観を広める役割を果たしたとも言えるでしょう。

エマーソンとの関係・影響について

両者の直接的な交流を示す明確な記録は見当たりません。

けれども、超越主義者エマーソン、詩人ロングフェロー、天文学者ローウェルなど当時の知名人たちは、こぞってデイヴィスの著作を読んでいます。

彼らは、デイヴィスの影響を受けたことも記録に残っているといいます。

エマーソンと直接の関係がなくても、書籍を通してエマーソンは、デイヴィスを知ったいたことは確かなようです。

ちなみにデイヴィスは、エマーソンを「霊感を受けた聖典的著作家の一人」として著書『アラブラ』(1867〜68年)に記しています。

著書には「聖・ラルフ・ウォルドー・エマーソンの福音」として収録。

エマーソンをキリストと並べる形で「新しい福音集」の一部としています。

ちなみにエドガー・アラン・ポーが、デイヴィスの初期の作品から影響を受けたことも確認されています。

ポーは、デイヴィスの催眠術に関する講義に出席した後、1845年の短編小説「ヴァルデマール氏の事件の真相」を書くにあたって影響を受けたと述べています。

著書について

デイヴィスは30年以上にわたって30冊以上の著書を残しました。主なものを紹介します。

主要著作一覧

著作名 刊行年 内容のポイント
『自然の原理』 1847 宇宙・地質・生物・社会を「自然法則と進歩」で総合した主著
『大調和』 1850〜61 調和哲学の拡張版。全6巻の百科事典的著作
『特別摂理の哲学』 1850 「神の個別介入(奇跡)」を否定し自然法則の普遍性を主張
『霊的交流の哲学』 1851 現代の神秘を解明した著作
『ペネトラリア』 1856 自動車・道路・タイプライターなど現代技術を数十年前に予言。
光速を毎秒20万マイルと主張(実際は18万6000マイル)
『魔法の杖』 1857 透視・磁気催眠・出版活動の自伝
『アラブラ』 1867〜68頃 エマーソン等を宗教的権威として取り込む「新福音集」
『サマーランドへの星の鍵』 1867〜68頃 太陽系・星界と霊界(サマーランド)を結びつける宇宙論
『死と死後の世界』 1865(71年版等) 死の過程・霊的身体・サマーランドの構造を解説
『天界の眺め』
(サマーランドへの星の鍵 続編)
1877 霊界の風景、生活、居住の在り方、法則、天使に導かれる魂の移行について

①『自然の原理・神の啓示・人類への声』(1847年)

『自然の原理・神の啓示・人類への声(The Principles of Nature, Her Divine Revelations, and a Voice to Mankind)』(1847年)

1845年11月から15ヶ月かけてトランス状態で口述した大作です。磁気催眠術師のライオン博士が各発言を繰り返し確認し、牧師フィッシュボウが筆記しました。さらに三名の常任証人(パーカー師、ラバム氏、スミス博士)も同席するという厳格な体制のもとで制作されました。

注目すべきはデイヴィス自身がトランス状態で著作権を放棄すると公言し、その権利をライオン博士とフィッシュボウに譲渡したことです。これは単なる商業的な動機ではなく、この著作が自分個人の所産ではないというデイヴィスの確信を示しています。

初版はたちまち完売し、重版に次ぐ重版で実に44版という記録的な版を重ねました。

②『大調和』(1850〜61年)

『グレート・ハーモニア(The Great Harmonia)』(1850〜61年)

全6巻からなる百科事典的著作で、デイヴィスが「ハーモニアル哲学」を展開した代表作です。生命・精神・倫理・社会論に及ぶ壮大な体系が展開されています。

第1巻:The Physician(医師)
第2巻:The Teacher(教師)
第3巻:The Seer(予見者)
第4巻:The Reformer(改革者)
第5巻:The Thinker(思想家)

③『ペネトラリア』(1856年)

『ペネトラリア』(1856年)は特に注目されます。自動車・道路システム・タイプライターなど現代技術の発展を、それらが開発される何十年も前に予言しています。

光速についても毎秒20万マイルと主張しましたが、これはルイ・エッセンが科学的に計算して実際の速度(毎秒18万6000マイル)を示す94年前のことでした。

光の速度は、ほぼ同じであったことは驚異的です。

④『魔法の杖』(1857年)

『魔法の杖(The Magic Staff)』(1857年)

デイヴィス自身の生涯と霊的体験を語った自伝です。透視・磁気催眠・出版活動の経緯が自己叙述されています。

⑤『死と来世』(1865年)

『死と来世(Death and the Afterlife)』(1865年)

死の現象から始まり、サマーランド(霊界)での生活や社会の様子を詳細に記述した八夜連続講演集です。

⑥『サマーランドへの星の鍵』(1867年)

『サマーランドへの星の鍵(A Stellar Key to the Summer Land)』(1867年)

サマーランドの構造と霊的な球体(スフィア)について詳述した著作です。太陽系・星界と霊界を結びつける宇宙論を展開しています。

続編が1877年に『天界の眺め(Views of our Heavenly Home)』として刊行。

⑦『アラブラ』(1867〜68年)

『アラブラ(Arabula)』(1867〜68年)
キリスト教的語彙を借りつつ権威を再編した「新福音集」で、エマーソンを「時代の霊感を受けた聖人」として「聖・ラルフ・ウォルドー・エマーソンの福音」を収録しています。

まとめ——デイヴィスが現代に伝えるもの

アンドリュー・ジャクソン・デイヴィスは、「科学の言葉で霊の世界を語ろうとした人物」です。

デイヴィス自身が啓示の限界についても正直に述べている点は特筆に値します。

啓示というものは所詮は人間の精神を通して得られるものである以上、完全無欠な啓示など絶対にあり得ない。

 

いかなる啓示も『神』から直接に届くことは絶対にあり得ない。どうか自分の啓示も理性によってごく当たり前に判断してほしい

これはデイヴィスの誠実さを示すと同時に、彼の思想を評価するうえでの重要な指針でもあります。

「霊的現象も自然の一部である」という洞察は、その方法論の問題にかかわらず、宗教と科学の対立を超えた第三の道を模索した19世紀アメリカ思想の重要な試みとして、現代においても研究の価値を持ち続けています。

それにしても驚異的かつ別格扱いになる透視能力者・霊能者・予言者・スピリチュアリズムの先駆者のアンドリュー・ジャクソン・デイヴィス。

本当に飛び抜けたスピリチュアリストです。

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